【福島・沖縄からの通信】

宮里洋子:TBSに抗議する 集団自決は一家心中ではありません

 TBSのニュース番組Nスタが8月16日に、「“基地があるから” 沖縄戦心の傷 今も深く」という特集番組を放映しました。沖縄戦の集団自決で生き残った体験者として、私は取材を受けました。ところが私の場面を、番組は「一家心中」と紹介したのです。

 私は番組をみていなかったけど、友人たちから知らされてびっくりしました。いったい、どういうことなんでしょうか。

 TBSは自決(親が子の首を切る)が生々しいので一家心中に置き換えたとのこと。でも、戦争そのものが残虐で生々しいのは当たり前です。戦争にオブラートをかぶせてどうなるのでしょうか? まるで『はだしのゲン』の閲覧禁止と同じようなことだと思います。

 集団自決は、旧日本軍による強制集団死です。国策により親達がマインドコントロールされた結果なのです。それを「一家心中」と言い換えられるわけがない。戦争は生々しく残虐故、二度とこのような事が起こらぬようにとの思いで語っているのに、激しい怒りを覚えます。

 今、日本が過去に向け逆走しようとしています。その為にも体験者が語らねばならぬのに・・・。体験者が語りたがらない理由がマスコミにもあることを痛感させられました。

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