5・3憲法集会「平和といのちと人権を! 明日を決めるのは私たち」は東京・臨海広域防災公園で開かれた。5万人(主催団体)が参加した。「戦争法廃止2000万人統一署名」は、1200万人を突破した。解釈で憲法9条壊すな!実行委員会の高田健・開会あいさつと野党各党代表のあいさつ(要旨)などを紹介します。〈写真・藤田観龍〉
本日の憲法集会は昨年の横浜憲法集会につづく、2回目の統一集会だ。昨年の集会は、2015年安保闘争という集団的自衛権の憲法解釈と憲法違反の戦争法案に反対する巨大な市民運動の幕開け、安倍政権の戦争する国づくりに反対する画期的な出発点となった。
安倍政権は日本が米国とともに海外で戦争することを可能にする戦争法を強行したが、それ以降も暴挙に反対する行動は衰えることなく継続し、新しい市民革命が始まったともいわれる大きな展開をみた。
この運動は、戦争法反対の2000万人署名運動として津々浦々に展開し、国会では野党共同の廃止法案に結実し、市民による違憲訴訟運動がはじまった。
報道機関の世論調査は、戦争法と改憲に反対する声が多数だ。北海道と京都の補選、とくに北海道5区の共同の闘いは安倍政権と与党の心胆を寒からしめた。野党が市民と連携して戦えば勝利できる可能性を示した。
私たちは参議院議員選挙でも、1人区での野党候補の1本化を実現し、憲法改悪を企てる安倍政権と闘い、最低限でも与党と補完勢力の3分の2議席の確保を阻止し、安倍内閣の退陣を実現したい。
引き続き2000万人統一署名を推進し、6・5国会包囲大闘争を。沖縄・辺野古新基地建設阻止、川内原発即時停止、原発再稼働反対。貧困・格差拡大反対。東アジア民衆と連帯し、戦争の路を歩む企てを阻止しよう。2016年安保闘争の主役をかちとろう。憲法改悪反対、安倍政権退陣、参院選で野党の勝利を実現しよう。
相手を殺さなければこちらが死んでしまう。死にたくなければ相手を殺せ。戦場の第1線に立てば、神経が狂い始める。憲法9条こそは人類に希望をもたらす。70年間、国民の誰をも戦死させず、他国民の誰をも戦死させなかった。どこの国の憲法にも、9条と同じ条文はない。とことん頑張りぬこう。
安倍首相が目指しているのは参院選で多数を得て9条の「本丸」に切り込むことだ。限定された集団的自衛権の行使どころか、限定のない集団的自衛権の行使をするのが魂胆。参院選、野党は力を合わせて戦い抜く。
新しい市民運動に背中を押されて、野党共闘が大きく前進していることは日本の未来に大きな希望だ。野党は戦争法廃止、立憲主義を取り戻す、安倍改憲を許さない、の3つの旗印で参院選に勝利しよう。
憲法違反の安保関連法(戦争法)で、日本の自衛隊が米軍の手足となって、いつでも、どこでも、どんな場合でも出ていける。違憲訴訟・大衆行動・選挙の三位一体の闘いで戦争法廃止を勝ち取ろう。
ただ1点、頭の中にしっかり刻んでほしい。憲法の理念を守り、安保法の廃止を実現するには、選挙に勝たなければならない。4党が協力し、市民と協力して選挙戦に勝ち抜こう。安倍内閣を退陣に追い込もう。
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ジャーナリスト・むのたけしさんは、「相手を殺さなければこちらが死んでしまう。死にたくなければ相手を殺せ。戦場の第1線に立てば、神経が狂い始める」と自らの戦争体験を語りました。私も近所の在郷軍人の方から、「最前線でいよいよ弾丸を渡され、銃を握りしめた時、これで死ぬのかと思い、涙がとめどなく流れ出た」と聞きました。こんな思いを未来ある若者にさせてはならないと戦争法廃止に命がけで戦っています。101歳のむのたけしさんの「憲法9条こそは人類に希望をもたらす。70年間、国民の誰をも戦死させず、他国民の誰をも戦死させなかった。とことん頑張りぬこう」の呼び掛けは、戦争体験者の真実の叫びであり、後世の人々への肉声で聞こえる最後の遺言と受け止めました。