【小森陽一「文つぶて」】

小森陽一:新しい都政に何を求めるか

 2012年11月9日、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児さん(65)が、29日に告示(投票日は12月16日)される都知事選への立候補を表明しました。

 宇都宮氏の立候補は、6日に発表された「私たちは新しい都政に何を求めるか」という40人の研究者や弁護士の声明に応じたものです。私も、この声明に名を連ねました。

 声明では13年半の石原都政による、都民生活の崩壊、教育現場への攻撃と民主主義の破壊を厳しく批判しました。とりわけ「3・11」を「天罰」だとした発言と脱原発運動への罵倒を許せないこととして問いただしました。そして私たちが求める都知事の在り方を明確にしました。

 1つは「日本国憲法を尊重し、平和と人権、自治、民主主義、男女の平等、福祉・環境を大切にする」ことです。現在の、とりわけ「3・11」以後のこの国では、憲法を理念や理想ではなく、現実の政策として実行するかどうかが問われているからです。

 2つめは「脱原発政策を確実に進め」、「原発事故と闘い、福島をはじめとする事故の被害者を支える」ことです。ここに福島に犠牲を強いてきた大都市東京の責任があります。

 3つめは「教育に民主主義を取り戻し、教師に自信と自律性を、教室に学ぶ喜びと意欲を回復させる」ことです。公立学校を教育の場から、社会統制の装置に変質させようとしてきた石原都政の根本への批判です。

 そして4つめとして「貧困・格差と闘う都知事」が必要であることを訴えました。宇都宮氏は、反貧困ネットワークの代表として、湯浅誠氏らと全国的な運動をつなげていく先頭に立ちつづけ、2008年の年越し派遣村の村長をつとめました。

 本当に、東京都知事として最もふさわしい人が立候補表明をしてくれたことに、絶対勝たせるという決意を私は固めています。

小森陽一:新しい都政に何を求めるか” への1件のコメント

  1. 12月16日は衆院選の投開票になることも確定しました。国政にも都政にも新しい風を吹かせ、国民の勝利の日、歴史に残る12・16となるよう全力を尽くしましょう。
    石原慎太郎前都知事は、乱暴な言動で中国・韓国との関係をめちゃくちゃにしました。宇都宮さんにはアジアの中の東京として、周辺諸国との関係改善への役割を果たすことも期待しています。(北京から)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)