「 連帯・共同21」は、情報発信と意見交流を通して、日本社会のあり方を模索し、日本の変革をのぞむ人々の連帯・共同の輪を広げることをめざしています。連帯・共同の力こそ、新たな日本の社会を可能にすると考えるからです。
いま、日本は大きな転換期を迎えています。国民が主権者として政治を動かす時代の入り口に立っていると考えます。
2011年3月11日、巨大な地震、津波、そして東京電力福島第一原発事故が私たちを襲いました。しかし、そのことが契機となり、「脱原発」を求める人々の連帯は新たな市民運動となって全国に広がりました。年齢、性別、職業などの違いはあっても、若者から高齢者まで個人が自らの意志で主権者として立ち上がったことは、新たな日本社会のあり方を模索する動きといえます。
こうした新しい市民運動こそが、安倍・自公政権が憲法違反の安保法制(戦争法)を強行成立させた後もなお、安保法制廃止、「共謀罪」法廃止を求める持続的な運動として発展し、憲法9条改悪に反対する確かな力ともなっています。
同時に私たちは、日本国憲法の下で生命と人権が日々脅かされている沖縄の現実に目を閉じるわけにはいきません。日本の法律が適用されない米軍専用施設が沖縄に集中し、植民地的と言われる状況が続いている根源には日米安保条約・日米軍事同盟があります。辺野古新基地建設に反対する沖縄の人々の闘いは、私たちの闘いでもあるのです。
2017年7月7日、国連は核兵器の使用や保有を違法とする「核兵器禁止条約」を、122カ国の賛成で歴史上はじめて採択しました。実現させたのは世界の市民の運動の力です。この世界の潮流に私たちも呼応したいと思います。日本政府が「核兵器禁止条約」に背を向けたのは、被爆国でありながらアメリカの核の傘に依存する日米軍事同盟があるからです。
日本社会は他にも、子どもたちの未来を奪う教育、失業と貧困、非正規雇用と格差、劣悪な社会保障と医療制度、疲弊した農業や漁業など解決しなければならない多くの問題に直面しています。
私たちは、戦争法制廃止、辺野古新基地阻止、脱原発、教育の支配打破、人間らしい生活──日本国憲法の実質化、人間の尊厳を求める闘いを通して新しい日本社会が実現していくことを確信します。そのための「国民的共同」をめざします。
私たちは虐げられている世界の人々と連帯します。
2017年10月
大沼博良 小森陽一 長堂登志子 藤原一也 星英雄