【特集:わたしと憲法】

大沼博良:自民党憲法改正草案を読んでみました 驚きです! その1

 安倍第1次内閣そして第2次内閣といずれも、憲法改正を主張している。現在憲法96条改定について様々な報道がされているが、改定の中味について十分には報道されていない。

 では、いったい自民党はどのように憲法を改正しようとしているのか。憲法を改正しようとしているのであれば、どこをどのように改正しようとしているのだろうか。国民としては知りたいものである。戦後アメリカ駐留軍に押しつけられたというもっともらしい根拠に、「自分たちの憲法を作るのだ」と主張しているようにも思える。であるならば、その変えたいという中味が知りたい。

 そこで、最新の「自民党憲法改正草案」を読んでみた。

 驚きです。きっとひどい中味のものだろうと予想はしていたが、予想以上の驚きの連続である。

 教育現場にいるものにとって、まず驚いたのは新たに新設する第3条、それは「国旗及び国歌」についてである。 条文は

 第3条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。

   2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。

となっている。

 新設したこの第3条は、丸ごと変えた憲法前文の「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」にあるいわゆる「愛国心」との関係もある。

    日の丸と君が代は学校では普通の当たり前のものと思われ、オリンピックなどのスポーツ国際試合でも国旗と君が代はつきもので何の違和感もないと思う人もたくさんいる。

 でも、学校現場では卒業式や入学式での扱いで必ず問題となっていることが知られていない。裁判で争われていることはある程度報道はされているが、その争っている中味は卒業式や入学式で日の丸への敬礼、斉唱を強制させられることへの拒否行為である。

 「憲法第19条思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」の違反ではないかとのこと。そのためにも第3条を新設して「国旗及び国歌」を強制できるようにしたのである。

 憲法で「尊重」と規定されるとどうなるのか。問答無用に「国を愛しなさい」を強制させられることです。「国を愛する」とは、何をどう愛するか分からないし、「愛しなさい」と押しつけられて「愛せる」ものだろうか。 学校で子どもたちがこの国を大切にしていきたいと思う心を育てられなければならないのは当然であるが、押しつけられるものではない。

 自民党が考える「国を愛する」とは何か。その答えが意外なところから出されていました。日本教育再生機構広報誌「教育再生」4月号で、『注目すべき道徳の公開授業』と紹介し、『こうした授業がさらに多くの学校で行われることを願ってやまない。』とまとめられた道徳授業について掲載している。

 日本教育再生機構とは理事長が八木秀次である。彼は第2次安倍内閣における首相直属機関「教育再生実行会議」の委員であり、安倍首相のブレーンの1人とも言われている。

 紹介されている授業はどのようなものなのか。簡単にまとめると、

 学年は中学3年生である。「生き方」の学習をすると子どもたちに知らせる。資料は「特攻隊」である。子どもたちに「何のために特攻をしたのか」を問い、まとめは「未来の日本のため、家族のために特攻をした」と結論づける。対比として、成人式における若者たちの傍若無人ぶりを映像としてみせる。あんな成人にはなるなとのこと。

 憲法改定草案の第3条を新設するねらいを、この「教育再生」広報誌に見事に表されているのではないかと直感的に理解した。「国を愛する」とは、「国のためには自らの命を惜しまず捧げる」ということになる。

 さらに、憲法第18条「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない。」が単なる「社会的または経済的関係において身体を拘束されない。」と改正しようとしている。この改正案は何を意図しているのか感じとれる。現憲法で「奴隷的拘束」は兵役を意味していると考えられる。当然軍隊を持たない日本に徴兵制はありえないから。

 ということは、徴兵制を伴う軍隊を持つことを想定している。自民党の憲法改正案は、丸ごと子どもと青年たちの未来を戦争をする国に駆り立てることを考えている。

 なんと恐ろしいことを計画していることか。これだけでも自民党の憲法改正を許すことは出来ない。

 驚きはこれだけではない。(つづく)

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