【福島・沖縄からの通信】

名護市長選の勝利を祝う:誇りだ、心だ、これからも闘う③

 

 安次富浩(ヘリ基地反対協議会共同代表)

 「辺野古の海にも陸にも新たな基地は造らせない」という稲嶺市長の政策が、この4年間で市民に浸透したことが、勝利に結実したと思います。国のアメとムチの圧力、仲井真知事の埋め立て承認、自民党国会議員の裏切りに対する怒りがあらわれています。民意ははっきりと出た。

 市長には埋め立てに関する権限があり、私たち現場の抵抗運動もある。政府は簡単にあきらめないだろうが、私たちは迎え撃つ覚悟でいます。

I・N(宜野湾市)

 稲嶺ススムさんの再選、しかも4000票以上の大差で!投票箱の蓋が閉まるなり流れた当選確実の速報に、最初は信じられませんでした。選挙期間中、名護の街は選挙とは思えないほど静かでした。基地は嫌だ、けれどお金が入るなら仕方ない、基地への賛否を示すと近所付き合いに差し支える…住民が基地に引き裂かれ、本音が言えない空気が蔓延していました。

 知人に頼まれ稲嶺さんの応援に行くとこう言われました。「名護んちゅは顔を出して応援ができない。相手陣営や産経新聞、幸福の科学などは『普天間が固定化してしまうから、辺野古を受け入れるべき。助け合うべき』とまるで基地反対がわがままかのように言う。無条件撤去など考えもつかないようだ。宜野湾の人が来てくれて嬉しい」

 「500億円の基金など札束で顔を叩くようなことしか言わない。相手陣営が『家族は何人か』と聞くので3人だと答えたら3万円握らされそうになった。無視してドアを閉めた」「山本一太議員が来たが『名護にはワクワクするような場所がない』と言っていた。どこまで馬鹿にするのか、名護に綺麗な海も豊かなやんばるもある。」

 名護んちゅの怒りは頂点に達していました。自分たちを「ゆすりとたかりの名人」扱いさせてなるものか、みんながワジワジしていました。金か、誇りか。名護んちゅの意地が那覇市長や元自民県連会長など、広範な保守の人までを巻き込み「辺野古はノー」を突き付けたのです。

 ススムさんの当選で終わりではありません。新たなたたかいの始まりです。頼もしい市長と共に、日本から全ての米軍基地が撤去される日まで声をあげ続けましょう。

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