【連帯・社会像】

吉田万三:宇都宮勝利に向けて最後の10日間を全力で

 東京都知事選が始まって最初の土・日が過ぎた。2月9日投票日まであと10日間弱の短期決戦だ。選挙戦直前に1年休眠していた私のホームページにアップした訴えに若干加筆して、あらためて宇都宮候補勝利に向けてのアピールを送りたい。

①今回の都知事選を特徴づけるもの

最大の特徴は、昨年とくに秋以降の国民の様々な運動の高揚とりわけ「脱原発」「反TPP」につづく「特定秘密保護法に反対する運動」の急速な広がりである。 暴走する安倍政権であるが、一年前の総選挙で実は得票はほとんど伸びていない。民主党が自滅し、小選挙区制のマジックで大勝したにすぎない。 無党派層はもちろん保守層の中でも脱原発派は多く、安倍政権の暴走を不安視する部分も水面下では広く存在している。 夏の参院選では、5人区の東京で明確な脱原発の候補が2人当選している。 その結果自民党の候補選びはもたつき最後に舛添氏に決まった。

②細川氏出馬の意味

しかし舛添候補だけでは勝利を確信できないのだ。このままでは脱原発や安倍政権の暴走にブレーキをかけたいと思う票がかなり宇都宮に流れる危険もあるからこそ、多少のプラス・マイナスがあったとしても保守系脱原発候補が必要だったのではないか。裏を返せば、逆にそこに宇都宮当選の可能性もあるということである。 注目すべきは、一部とはいえ日本の支配層・保守政治家の中に生まれた危機意識である。すなわち「いつまでも原発にしがみついていると、軍事国家づくりや新自由主義的格差社会の継続・発展まで、元も子もなくす危険がある」という危機感が芽生えてきた点だ。 細川候補は「脱原発」を看板に掲げたが、これまでも、これからも人々の闘いと共に歩むつもりはないようである。 これは人民の闘いが分裂したのではなく、人民の闘いによって保守・支配層が原発をめぐり分裂したのだ。 沖縄・名護の稲嶺市長も元々保守系の人だが、人々の闘いと共に歩む人である。 誰が勝ちそうか、とか水戸黄門的なものに期待する気持ちを一概に責めるわけにはいかないが、この決定的な違いを忘れてはいけない。昨年の大きな闘いが無かったなら、細川氏も小泉氏も出てはこなかった人なのだ。

③論戦回避・低調ムード作戦

選挙戦が始まっても、細川候補は徹底的に論戦を避け、公開討論会もテレビ討論も一切出ようとしない。多少批判されても、ボロの出るリスクの方が大きいのだ。舛添候補も、「細川氏が出ないので自分も出ない」と言って出ようとしない。彼は彼で「都民の関心はなるべく低い方が組織力で逃げ切れる」と考えているのだろう。

④三候補の違いは明白

舛添候補は自民・公明、暴走する安倍政権と二人三脚の候補である。細川候補は脱原発とあわせて首切り自由と言われるような「国家戦略特区を活用して」という政策なので、額面通り受け取れば「原発のない、ワーキングプアの溢れるまちづくり、国づくり」をめざしている。 原発を再稼働し、社会保障を改悪し、消費税を増税し、軍事国家づくりに突き進む安倍政権にストップをかけることのできる候補は、宇都宮けんじ氏しかいないことは明白である。

⑤意図的な世論誘導だがいずれも決定力不足

細川氏出馬以降、論戦回避作戦とあわせて、今度は「舛添VS細川どちらが勝つか」とか「安倍・小泉師弟対決」とか、世論誘導と思えるようなマスコミ報道も目立つようになった。言外に「どうせ宇都宮は勝つわけがない」と繰り返している。 しかし、日本サッカーではないが、舛添氏も細川氏も今一つ決定力不足である。 現時点での知名度では、舛添氏がリードしているようだが、宇都宮氏の知名度も1年前に比べてはるかにアップしている。 また若年層・無党派層を中心に約40%の人はまだ態度を決めていないというから、これから選挙情勢はまだまだ流動的とも言われている。さらに若年層は投票にいかない人も多いし、低調ムード作戦もあって、投票率も下がることが予想されている。

⑥最後の10日間、可能性をくみつくし、力を出しきろう

今東京の各地で、この状況を突破し、宇都宮勝利で「都政の転換」「安倍政権の暴走ストップ」をと多くの人たちが立ち上がっている。 政策の違いを示し、対話が進めば進むほど宇都宮支持の輪は広がりつつある。 大きなチャンスを前に、さいごの10日間、全力で戦い抜くことを訴える。 (2014年1月30日)

 

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