渡具知和奏(とぐち・わかな)さんは名護市立緑風学園6年生。11日、那覇市の沖縄県庁前の抗議集会で、キャロライン・ケネディ駐日米国大使に宛てた手紙を読み上げた。集会は新基地建設NO!を掲げ、若者たちを中心に結成した市民グループ「New Wave to Hope(ニューウエーブトゥーホープ=希望に向かって新しいうねりを!)」が主催した。以下、渡具知和奏さんの手紙を紹介する。(実物は、昨年12月、東京・赤坂の米国大使館に郵送した)
- 〈写真提供・New Wave to Hope(ニューウエーブトゥーホープ)〉
親愛なるキャロライン・ケネディさんへ
このたびは、アメリカちゅう日大使にご就任おめでとうございます。お元気でお過ごしですか?
私は、沖縄県名護市に住んでいます。11才です。私の住む地域の目の前には、辺野古・大浦湾の海が広がっています。そんな辺野古・大浦湾には、絶滅きぐ種である「ジュゴン」が住んでいます。
ジュゴンは人魚のモデルと言われていて、沖縄の東海岸(辺野古・大浦湾)が、日本でゆいいつジュゴンが住んでいるのです。ジュゴンはその名の通り、とてもかわいく、やさしい性格です。そんなジュゴンがなぜ辺野古・大浦湾の海に住んでいるのか、その海を見れば納得いきます。
私はこれまでカヌーに乗って大浦湾に出たことがあります。海の色はすきとおっていて、サンゴが美しく大きく育ち、なんといっても、うるさい音はいっさいなく、風の音が聞こえるくらいの、とてもおだやかな海でした。
私は、ジュゴンについて昔から関心があり、とても大好きでした。この大好きがこうじて、今年は夏休みの課題でジュゴンについて調べ、ゴーダックセンターで「特別賞」をいただきました。
しかし.私は一度もジュゴンに会ったことはありません。会いたいけれど、絶滅きぐ種なので、ほとんどの人が会えないくらい数が少ないのです。
でも私は、ジュゴンがとても優しく、かわいい動物だと知っています。なぜなら、写真を見ていても、ジュゴンの優しさが伝わってくるからです。実際に会えたら、予想以上のおどろきと笑顔があふれてくるでしょう。
そんなジュゴンが住んでいる海に、アメリカの軍事基地を造る計画があります。ジュゴンの住む海を守りたい!! 辺野古・大浦湾の豊かな自然を守りたい!! 私をはじめ沖縄県民は皆、そう思っています。軍事基地が造られたら、ジュゴンは絶滅し、辺野古・大浦湾の豊かな自然もこわれてしまうでしょう。
どうかお願いです。軍事基地を造らないで下さい。ジュゴンを守って下さい!! キャロラインさんもぜひ、辺野古・大浦湾のきれいな海を見に来て下さい。絶対好きになると思います。
これからも.お体に気をつけて、お仕事、頑張って下さい。今日は私の手紙を読んでくださり、どうもありがとうございました。
私の思いがキャロラインさんに届くことを信じています。
Wakana Toguchi(渡具知和奏)
日本人の多くがインドやトルコの原発輸出について何も知らないようにアメリカ国内で沖縄の米軍基地問題について知っている人はほとんどいないと思う。
日本人が望んでいるから滞在してやっているんだぐらいに思っている人がほとんどだろう。
アメリカ大使が基地問題についてどうこうできる立場ではないはずだが、イルカの話のようにツイッターでつぶやくなどしてこの現状をアメリカ国内の人間に伝えるくらいの事はできるはずだと期待したい。
少女の手紙によってやわらかく現状を訴えるというのは、効果的だと思うが、このままでは、やはり日本国内だけの話題で終わりそうなのがもったいない。
せっかくインターネットが普及している昨今、YouTubeなどの動画サイトで時々沖縄の美しい海の映像を交えながら字幕付きで少女の手紙を読み上げる姿を配信するなどの工夫が必要だと思う。