【連帯・社会像】

藤原一也:第52回全国消費者大会に参加して

 第52回全国消費者大会が2014年3月14日~15日と東京(四ツ谷・主婦会館プラザエフ)にて開催されました。大会の標題は「活かそう消費者の権利を!行動しよう安心できる社会をつくるために!~3月15日は世界消費者権利の日~」。私はこの全国消費者大会に第48回から第50回まで裏方(全国消団連事務局)として係りましたが、一昨年3月に仕事を離れて年金生活者の身となり、今回は一消費者市民として参加しました。

 この大会の二日間の延べ参加者は533人、この数をどう評価すべきかについては42団体で構成する第52回消費者大会実行委員会の総括にゆだねるべきことですが、私は今大会で取り上げている消費者運動課題の広がりと論議内容の深まりから見て、もっと参加者数が増えても良かったとの感想を持っています。

3月14日の特別分科会

3月14日の特別分科会

 何故なら二日目の全体会で採択した「第52回全国消費者大会アピール」は危機感に溢れ、参加者の一員である私も今後どのように行動すべきかを考えさせられるものでした。

 そして、今日の時代背景の下で、より数多くの消費者市民に共有化していただきたい内容だと考えます。しかし、マスコミ大手紙や放送媒体などはこの消費者大会についてほとんど伝えず、開催の事実についても知らない方々が圧倒的と思われます。まことに残念なことです。以下そのアピール文です。

 『戦後、日本は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を基本理念とする素晴らしい憲法のもと、国際社会での発展と成功をかち得てきました。本来であれば、非戦・非軍事の憲法を持つ日本こそが、軍事費に多額を費やすのではなく、「平和の配当」として貧困撲滅や環境問題の解決のために使うべきであることを世界に対して発信していける存在であったはずです。その素晴らしい憲法の理念が揺らぐ今、消費者にとって大切な「知る権利」や「安全である権利」までもが揺らいでいることを知る必要があります。

 第52回全国消費者大会では、貧困撲滅、環境問題の解決、社会的公正、自由である権利、生活・雇用・福祉などの社会権など、消費者の権利の充実のために様々な切り口で討論が行われました。環境的適正と社会的公正を実現するために、「過度な成長に頼らない持続可能な社会」を目指し、市場や政治だけに頼るのではなく、積極的な市民参加と広範な協働が不可欠であることが再確認されました。私たち消費者市民は、自らの行動が将来にわたって内外の社会問題、経済、環境に影響を及ぼし、また、その結果、将来世代へつけを回すことなどを自覚しています。

 私たちは消費者市民として、地球、世界、国、地域、そして家族の幸せを実現するために、自らの消費や社会生活を通じて、また、政策形成過程などへの積極的な参加を通じ、自然と共生した持続可能な社会の実現に向け行動します。2014年3月15日 第52回全国消費者大会実行委員会』

 なお、この第52回消費者大会の開催報告(速報)は全国消団連ホームページに掲載されています。

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