【特集:わたしと憲法】

藤原一也:「九条の会発足10周年講演会 集団的自衛権と憲法9条」に参加して

 2014年6月10日の18:00から標記講演会が東京都渋谷区の渋谷公会堂で開催されました。私は集団的自衛権をめぐる昨今の安倍政権の進め方に危惧を覚え、何とかしたいとの気持ちを持ってこの講演会に参加しました。主催者の九条の会事務局に事前参加申込みを行った結果、私は759番の受付番号をもらいました。入場時の混雑が予想されましたので、一時間ほど早めに会場に到着するように埼玉県の自宅から出かけました。

 夕方の17:00前に何とか会場に到着しましたが、すでに多数の入場希望者が会場入り口付近に溢れていて、「今国会会期末までに集団的自衛権の解釈改憲閣議決定を」と急ぐ安倍内閣の国民的論議なしの進め方に対する怒りが充満していました。この時期での集団的自衛権をめぐる講演会への関心は非常に高いものがあると私は思いました。開場早々に渋谷公会堂の一階席と二階席がたちまち満席となりました。9条の会4

 私はその出席者の一人として発足10年目の九条の会講演会に参加しました。講演者として大江健三郎さん、奥平康弘さん、澤地久枝さん、会場へのメッセージを託された鶴見俊輔さん、梅原猛さんの9条の会呼びかけ人に加えて、ゲストスピーカーの金泳鎬さん、池田香代子さん、阪田雅裕さん(ビデオ出演)が話されました。それぞれの切り口から九条の会の10年前の発足の経緯や日本国憲法9条の意義を説き起こされました。

 集団的自衛権容認をめぐる日本国憲法のかってない状況のなかで、講演者の危機感と2千人を超えた会場参加者の気持ちが相呼応して、私などはこれまでに経験したことのない一種の高揚感が溢れる会場の雰囲気となっていました。そして講演会開催の意義をほとんどの参加者が心に刻むことが出来たのではないでしょうか。

 九条の会発足10周年講演会の閉会挨拶は「連帯・共同21」の共同代表の一人でもある小森陽一九条の会事務局長が行いました。要旨は以下の通りです。

 「本日の講演会には2千名を超える参加がありました。講演会開催の一時間前から九条の会の呼びかけ人会議を開催しました。第二次安倍晋三政権が進めている解釈改憲による集団的自衛権の行使の容認という戦後そのものを壊してしまうという暴走を止めて、そして押し返すために、今こそ9条の会がもてるすべての力を出しつくすべき時だと確認されました。

 これまで九条の会は各地の職場、学園で設立された一つ一つの九条の会の意志に基づき自発的かつ自主的に行動することを基本にしてきました。けれども今、これまでに全くなかった大きな試練にさらされています。全国の9条の会の皆さんも私が講演会に行くたびにいったいどうしたら良いですかかと問いかけてくる方が多いのです。9条の会3

 日本国憲法の解釈改憲も明文改憲も許さないというかってない運動を全国の九条の会が力を合わせて一斉に行っていく必要があることが呼びかけ人会議で確認されました。全国の九条の会とすべての主権者である国民に向けて、短いけれども心に刻まれ、多くの人々の口にのぼるアピールを行動提起とともになるべく早く呼びかけ人として発表することが確認されました。

 このアピールをもとに7500を超える全国の9条の会が一斉に立ち上がっていることが多くの人々にわかるように工夫にしながら、同じときに皆が集まって行動することが目に見えるような行動形態を全国の9条の会の皆さんと相談しながら考えて、アピールを発表するさいに秋に向けての行動提起を出来るようにしていきたいと思います。

 一日だけでは難しいでしょうから1週間、あるいは10日間または1カ月間、全国で統一した行動ができるように工夫をして行きたいと思います。すでに全国の9条の会が予定されている講演会や集会やパネルなどは9条の会のホームページに向けてお知らせいただきたいと思います。これらを事務局はすべて繋いだ全国の国民的な行動にして行きたいと思います。

 今日のこの9条の会の呼びかけ人会議の内容を今日お集まりの皆さんが、街の地域の9条の会の皆さんにお知らせしてほしいと思います。今日の講演会がいまだかってやったことのない、しかし、安倍晋三政権の解釈改憲を絶対に止めて、押し返すような9条の会の行動の出発点していきましょう。共にがんばりましょう。ありがとうございました。」

 私はこの閉会の挨拶で示された9条の会の今後の活動が速やかに展開されていくことを心から願っています。

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