【特集:いま、思うこと】

神田健策:地域自治研の強化と発展をめざす

私は、この3月に国立大学法人を定年退職した。団塊世代なので、この数年、友人からの退職通知を受けとることが多くなっていたが、私もその中の一人となった。65歳とはいえいまのところ元気なので、4月以降、いろんな組織の代表を引き継ぐことになった。津軽九条の会、県自治体問題研究所、農業・農協問題研究所東北支部などなど、数えると10本の指を超えている。

昨年来、安倍政権のもとで「戦後レジュームからの脱却」が目され、特定秘密保護法、靖国神社参拝、消費税率アップ、原発再稼働、TPP交渉の強行、農業・農協改革、そして極めつけは解釈改憲による集団的自衛権の行使など、次々と強権的全面的な攻勢をかけてきている。

これらの攻勢を東北の一地域で実感することは、安倍政権のなりふり構わぬ攻撃に対し、各陣営は当面の課題に対応することで精一杯という状況にある。そして、担い手がいないという愚痴がどこでも聞かれる。団塊世代引退後の地域運動の行方が心配である。

この4月以後、各種団体に顔を出すようになって思うことは、各分野とも独自の課題に対して一生懸命に取り組み、それなりの成果を出しているものの、他分野の課題と運動状況についての情報が十分に伝わっているわけではない。言わばそれぞれがモグラたたきをやっているように私には思える。

地方の自治体問題研究所、特にわが青森研究所の組織基盤は残念ながら強くはない。しかし、地域・自治体レベルに降りて諸課題を見つめたとき、分野を超えた横の連帯の必要性を痛感する。地域自治研は新しい連帯のあり方を探る上で、その結節点になりうる役割を求められている。(青森県地域・自治体問題研究所理事長)

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