江川三津恵(いしがき女性9条の会)
戦後69年、沖縄では憲法の基本原理である平和も民主主義も人権も蹂躙され続けてきました。そのことに対する県民の怒りと抗議が爆発したような、翁長さんの圧勝だと思います。
多くの県民が翁長さんの「保守か革新かではない。ウチナーンチュの『アイデンティティー』を確立して『誇りある豊かさ』を手に入れよう」という訴えに共感できたのです。「建白書」の形で示した沖縄県民の意思を踏みにじるかのような政府や現知事の対応に「がってんならん」の思いです。人殺しにつながる軍事基地を新たに建設するなんて許せないの思いで私たちも翁長さんとともに戦いました。
新基地建設反対とぶれずに主張し続けた翁長さん、沖縄県民の誇りと尊厳を守りたいという翁長さんが立候補されたことで沖縄の問題を全国にアピールすることができました。実際、全国各地からエールが届きました。
翁長さんが勝ったことはうれしいのですが、問題はこれからです。相手は日米両政府です。
「あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地をつくらせない」という翁長知事を支えなければなりません。政治家は民の幸せを考えて仕事をするという翁長さんの考えも立派です。県民と沖縄の未来を考えて知事として何をするのか、私たちは選挙が終わっても決して無関心ではいられません。
政府を相手にぶれないように、私たちも主権者意識をもってしっかりと県政をチェックし必要な時には大いに意見をいうことが大事だと改めて強く感じております。
宮平光一(命どぅ宝・さらばんじぬ会)
10万票の大差で翁長さんが勝ったのですから、これまでの沖縄の闘い、民意を確固たるものにしたと思います。「さらばんじぬ会」でいっしょに活動してきた宮城恵美子さんが那覇市議会議員補欠選挙で当選したこともうれしい。米軍普天間基地の大山ゲート前で、「ノー!オスプレイ!」「ノー!ベース!」と訴えてきた私たち「さらばんじぬ会」の活動を思うと、今回の選挙結果は特別にうれしい。
私は連日の「さらばんじぬ会」の活動の後に、キャンプ・シュワブにきて座り込みに参加しています。ここでは外国や日本の各地からきた人たちが、新基地建設反対を訴えています。沖縄以外の人たちからも、いま辺野古で起きていることは沖縄だけの問題ではないと、驚きと警戒の声をききます。闘いの輪が確実に広がっていると思います。
沖縄の戦後を振り返ると、自己決定権を踏みにじられてきた歴史です。沖縄の意志は、米軍占領下はもちろん復帰後もことごとく日本政府に無視されてきました。昨年1月のオール沖縄の「建白書」にたいする安倍首相の対応も、まさにそうでした。
辺戸岬の復帰闘争碑には、米軍占領下、米軍施政権下の時代を経て日本に復帰したけれど、沖縄は日米国家権力の軍事強化に逆用された、と書かれています。
じつはこの碑は、復帰の記念などのためではなく、「闘いをふり返り、大衆が信じ合い、自らの力を確め合い、決意を新たにし合うため」(碑文)に建てられました。こんどの知事選の結果も、まだ道半ばです。いまも変わらない沖縄の軍事植民地状態から脱却するために、新たな気持ちで活動を続けたいと思っています。