【福島・沖縄からの通信】

謝花悦子:ヌチドゥタカラ(命こそ宝)

 1984年12月8日、阿波根昌鴻氏創設の、反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」が開館しました。沖縄戦の際、母親の手の中で日本兵に殺された赤ちゃんの肌着をはじめ、伊江島での米軍の演習で落とされた原子爆弾の模擬爆弾、たくさんの薬莢、米軍のパラシュートなどを利用して作られた衣服、薬莢で作られた鍋、伊江島の土地闘争や乞食行進の写真など、たくさんの「がらくた」が展示されています。

 今年2014年12月8日は、おかげ様で、ちょうど30周年目にあたり、資料館開館に携わった方々をはじめ、阿波根氏と共に歩んできた方々、彼の残した膨大な資料の調査・保存に携わる「阿波根昌鴻資料調査会」のメンバーなど約35名が参加し、祝賀会を開催することができました。

 沖縄戦、伊江島での戦闘を生き抜き、大事な一人息子を失った阿波根氏が、「戦争とは誰が始めるのか?」「戦争は、なんのためにするのか?」「二度と戦争は、起こしてはならない」「命こそ宝」という思いから、この資料館を作りました。その思いに賛同された、国内・国外の多くの方々の思いは、阿波根氏が亡くなった今でも、この「ヌチドゥタカラの家」に届いています。

 今ほど、阿波根氏の言っていた「ヌチドゥタカラ」「剣を持つ者は剣に滅ぶ。基地を持つものは、基地にて滅ぶ。核を持つ国は、核にて滅ぶ。」という言葉が、身にしみる時は、ないのではないでしょうか。

「ヌチドゥタカラの家」の前で。前列左から6人目が謝花悦子館長

「ヌチドゥタカラの家」の前で。前列左から6人目が謝花悦子館長

 伊江島では、2012年10月のオスプレイ配備に続き、F35ステルス戦闘機訓練用に、基地内の設備強化の為の工事が、来年2015年3月から始まり、2016年9月に完成するという情報が、米国予算書から分かりました。F35戦闘機は、騒音が大きいと言われています。伊江村役場には、米国や日本政府からの連絡は全くないそうです。

 一般財団法人「わびあいの里」として、一昨年から「オスプレイ配備に対する抗議集会」を行っていますが、2015年3月7日(土)、8日(日)には、この基地強化に対しての抗議集会を行うことになりました。そこでは、30周年の記念の企画も行います。阿波根氏が伊江島で唯一持っていたカメラを使って撮影した写真の展示も行います。

 オール沖縄で勝利した名護市長選、沖縄県知事選、突然の衆議院解散総選挙の流れの中で、戦争に向かおうとしている安倍政権と米国政府に対して、反対の意思を示していきたいと思います。人災である戦争を、止められるのは、私達人間です。全国から多くの方々に参加していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(一般財団法人 わびあいの里)

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