【特集:国民的共同をめざして】

澤地久枝:戦後70年、戦死者ゼロの歴史を切り替えさせないために

 作家の澤地久枝さんは、党派を超えた護憲勢力の結集を機会あるごとに訴えてきました。5月3日憲法記念日に横浜・臨港パークで開かれた「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会」での短いスピーチでも、護憲で一致する人たちが一つになればさらに大きな力になる、と訴えました。澤地さんの了解をえて、紹介します。(文責・星英雄)

 私の基本的な気持ちを申し上げますと、私は安倍晋三とそのまわりにいる政治家、それから軍需産業でいくらもうけても、車もそうですが、もうけてももうけてもさらにさらに利潤を追求しているような政治家、経済人たちに絶対に反対です。とくに安倍政権にたいしては絶対に反対です。

 安倍という人はアメリカへ行って、国会にもかけず、選挙民にもかけずに、アメリカと約束をまた結びました。平和とか命とかいう大事な言葉をあんなに汚くした、政治家としては珍しいと思います。

 私は今、あの人を引きずり下ろしてやりたいと思います。そのためには、選挙に勝つのはもちろんですけれども、いろんな方法を考えたい。

 小田実さんがやった災害救済法(被災者生活再建支援法)もそうです。それは、阪神・淡路大震災の時に断水して、バケツで海から水を運んでくる小学校3年生のわが娘を見ていたときに、公の援助はどこからもこない。なんというひどい国かと彼が怒ったことからはじまったんですね。

5・3憲法集会で訴える澤地久枝さん

5・3憲法集会で訴える澤地久枝さん

 私たちいま、いつもやられっぱしみたいで、あれよあれよという間に、逆コースもいいところで、狂ったような政治をやられていますけれども、でもまだやることがあります。基本的には安倍内閣に反対という人、現在の憲法を守ろうという気持ちだけでも一致する人たちは1つになること、1つになってやっていけば、これだけの人たちがさらに大きな力になりえます。

 戦後70年間、日本は公式に戦死者を1人も出していない。こんな国はないんですね。この次の段階になったときに、私たちははじめて戦争未亡人、父親をなくしたとか、母親を亡くしたとか、つまり、戦後70年、戦死ゼロできた歴史が切り替えられた時、その年が2015年だったということにならないようにがんばっていきたいと思います。

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