私は9月12日の「止めよう!辺野古埋め立て国会包囲行動」に参加した。この集会参加者は2万2千人と発表された。参加者が手をつないで、まさに国会をぐるりと包囲し、沖縄スタイルで一斉に握ったままの両手を上げてシュプレヒコールを行った。
この日、9月12日、沖縄の辺野古の青い海では一カ月以上も中断していた日本政府による埋め立て工事が再開された。しかし、沖縄の人々はその事態をなすすべなく受け入れているのではない。
県民の意志を具現するために取り組んでいる島ぐるみ会議(オール沖縄)の「建白書」の方向に沿って、翁長知事は週明けにも「仲井眞前知事による埋め立て承認を取り消す手続きに入る」と表明した。沖縄では「工事を再開させない!辺野古新基地を断念せよ!」が民意であり、多数派なのである。
ところが、安倍政権にはこの沖縄の民意が届かない。選挙で敗れた仲井眞前知事の承認にすがって強引に辺野古新基地の建設を進めようとしている。この沖縄県民への手酷い対応ぶりは、集団的自衛権の閣議決定を行い、参議院で現在審議中の戦争法案の採決を強行しようとする安倍政権の姿勢と一体のものである。
私は8月30日に12万人が国会を包囲して叫んだ「戦争法案廃案、安倍政権退陣」の声は国民世論であると考える。世論調査でも今国会で「戦争法案」を成立させるべきではないとの考えが8割を占める。しかし、安倍政権は来週にもこの戦争法案を強行採決する姿勢を示している。民意無視ではないか。
何故、安倍政権は焦りまくって、集団的自衛権の法制化を進めるのであろうか?私は米国議会での安倍首相の発言や自衛隊トップの河野統合幕僚長の国会無視・国民無視の発言に答えがあると考える。今回の戦争法案が米国との出来レースであること疑いようもないことであろう。
私は9月12日の2万2千人国会包囲行動に参加し、久しぶりに「沖縄を返せ」を歌いながら、1970年代の復帰直後に沖縄を訪れた際に、友人の母から聞いた沖縄の米軍基地の本質に思いを馳せた。
あの時から40年以上、そして、今年は沖縄戦の戦われた1945年から70年。かくも長き沖縄県民のたたかいの結果としての「建白書」の成立と沖縄での各種選挙における翁長沖縄県知事、稲嶺名護市長の勝利、さらに沖縄小選挙区でのオール沖縄系議員の完勝であることを胸に刻まなければならないと思った。
来週からの「戦争法案廃案」を目指す国会包囲や全国各地の取組みは、安倍政権に対峙する正念場としていかなければならないと思う。いつまでも米国の手先になっていてはいけない。沖縄の島ぐるみ会議「建白書」を支持し、主体的に東アジアでの日本国憲法の精神を生かした平和友好外交を推し進めるべきと思っている。