【福島・沖縄からの通信】

山城博治:本土のみなさん、新たな基地はいらないという沖縄の訴えは理不尽ですか〈2015沖縄レポート②〉

 〈〽沖縄の未来は沖縄が拓く 戦さ世を拒み平和に生きるため・・・米軍キャンプ・シュワブのゲート前で歌われる「沖縄 今こそ立ち上がろう」の一節。作詞は山城博治さんだ。辺野古新基地建設反対闘争の現場に、闘病生活を経て、絶大な人気と信頼の山城さんが戻ってきた。座り込みの現場で山城さんにきいた。文責・星英雄〉

 安倍政権が強権を発動し、埋め立て「本体工事」と称して陸地での準備工事を強行したけれど、沖縄は屈するわけにはいきません。この新しい局面に、いまよりもっと大きな共闘、大きな団結で闘って勝利したい。本土と沖縄が連帯して闘いたい。沖縄はいま、新たな闘いの準備をすすめているところです。

 シュワブのゲート前には多くの人が座り込みに来ます。みんなを動かしているのは「沖縄の思い」です。

 戦後70年、日本に復帰してから43年もたつのに、米軍基地と沖縄県民の状態は何も変わっていません。20年前、米兵による少女暴行事件がおき、少女の尊厳を守れなかった現実は変わらないのです。辺野古新基地建設を阻止する闘いは、こうしたさまざまな沖縄の悲願がかかっています。沖縄戦と戦後の苦しい中で声をあげてきた先人たち、その後に続いて今日まで闘ってきた沖縄県民の、人間としての、誇りと尊厳を取り戻す闘いです。安倍政権の強権につぶされるわけにはいかないのです。

 ここもはじめは、座り込みに2~30人が来る程度でしたから、機動隊にフェンス側に追いやられるような状況でした。しかし、だんだん広がって那覇・中南部からバスに乗ってたくさんの人が座り込みに来るようになりました。親子連れや経済人も来ます。海では海上保安庁が抗議の市民を逮捕したり、陸でも機動隊は抗議の人々を弾圧してきました。しかし、県民は団結の力でそれを打ち破ってきました。

座り込みの現場でスピーチする

座り込みの現場でスピーチする

 「戦後最大、最長の闘い」という評価もあります。翁長県知事を誕生させたのも、辺野古新基地建設阻止の県民の闘いの発展も、「現場の闘いあってこそ」という評価もあります。ここに座り込みに来る人々の、持続的な運動の成果だと思います。

 私は沖縄平和運動センターの議長を務めていますが、ここでは世話人の1人として活動しています。これまでも高江や、与那国、石垣、宮古、八重山などで、基地強化の動きがあるたびに、私はやむにやまれず声をあげてきました。直近では、オスプレイ配備に反対し普天間基地を封鎖したこともあります。どこでも、呼応してくれる人がいて、運動が広がってきました。

 沖縄の大衆運動はどれもそうですが、ここの運動も、生活レベルでつくられてきました。労組や政党のイデオロギーではなく、肩ひじ張った、鎧を着た理論ではなく、「戦争はいや」、「基地をつくるために海をつぶすのはいや」という、ごく当たり前の日常的生活的感覚で運動をしてきました。主体は1人1人の市民なのです。

 島ぐるみ会議のバスで来ても1000円かかります。毎日来ると、ただでさえ少ない年金が吹っ飛ぶ。それでも「いかなくちゃ」「また来たい」とここに座り込みに来てくれる。そんな1人1人の思いを大事にして取り組んできました。

 ここでは1人1人がマイクで自分の思いを発言することができます。そして、みんなで歌って、踊っています。ここに来れば高齢か若者かにかかわらず女性は「ねーねー(お姉さん)」、男性は「にーにー(お兄さん)」です。1人1人が主役です。みんな楽しい気分で座り込みに参加し、自分の生活の場に戻って回りの人たちに現場のことを発信する。それが、運動を大きくしてきたと思います。

 労組の役割も機能も大事です。何時何分からどこそこでという集会は労組の働きが大きい。しかし、平日の昼間には集まれません。常時恒常的に制限なくという場合は市民が主体です。個人、組織にはそれぞれの特徴があり、それを活かすことが大事だと思います。

 去年の7月から入院する4月まで必死に闘ってきたから、自分を振り返ることはなかなかできませんでした。入院して、「早く現場に戻ってきて」とか「山城さんがいないと寂しい」といった励ましの便りをもらって、はじめて気が付いたことがたくさんあります。すごくうれしかった。

 この場所で、翁長知事の承認取り消しの記者会見をマイクを通してきいて、みんな大喝采でした。待ちに待った決断だけに、みんなが喜び、そして勇気をもらいました。しかし、これからが”本番”です。安倍政権の姑息な行政権力の発動で、知事の決断を無にしようとする動きがはじまりました。

座り込みの現場には歌も踊りもある

座り込みの現場には歌も踊りもある

 仲井真前知事の埋め立て承認に悔し涙した県民が、県民の思いを体を張って、政治生命をかけて発信する知事を得たのです。これから、沖縄県政は歴史の大きな波動にさらされるでしょう。しかし、それを守ることがわれわれ県民の暮らしを守り、平和と民主主義を守ることになると思います。

 本土の皆さんに訴えたい。

 日本の国土の0.6%の面積しかないのに、日本の米軍基地の74%も集中しているのが沖縄です。基地を返還してほしいといっても、返してくれない。地位協定を改善してほしいと要求しても取り上げてもらえない。基地があることで凶悪事件は発生し続け、沖縄はいつも泣き寝入りしなければならない。命と人権を脅かされ続けてきたから、もう基地はいらない、辺野古に新基地をつくることを阻止したい、日米両政府のいいなりにはなりたくないと、県民が立ち上がったのは当然のことだと思いませんか。

 日本政府は日米安保は大事、抑止力は大事という言い方で、基地を沖縄に押し付けてきました。100歩譲って、国防が大事というなら、日本のみんなで担ってほしい。沖縄だけに押し付けるのは、差別でしょう。

 沖縄戦を体験した先輩たちは戦争のきな臭さを感じて、なおさら強く、辺野古新基地建設に反対しています。

 日本全国のみなさんに訴えたい。

 辺野古新基地建設が浮上してからほぼ20年。ついに沖縄県民・県政は政府に対してノーといったのです。これは自己決定権の問題でもあるのです。沖縄の民意は去年の名護市長選挙、沖縄県知事選、衆院総選挙、そして世論調査などあらゆる点で、辺野古新基地建設に反対しています。翁長知事の埋め立て承認取り消しは8割の県民が支持しています。この沖縄の民意は取るに足りないということですか。

 沖縄は過大な要求をしていますか。沖縄の要求は政府のいうように理不尽ですか。翁長知事がいっていることは不法な要求ですか。

 安倍政権の沖縄圧殺を許せば、回り回って国民の首を絞めることになると思います。日本全国のみなさん、沖縄といっしょに声をあげてください。沖縄は決して安倍政権に負けません。

 

山城博治:本土のみなさん、新たな基地はいらないという沖縄の訴えは理不尽ですか〈2015沖縄レポート②〉” への2件のコメント

  1. 辺野古の座り込みに大いに励まされています。
    『熱風』7月号の翁長知事のインタビューで老朽化した普天間基地のかわりに、辺野古に最新鋭の基地をつくるのは、さらに100年沖縄に米軍を置いておくためのものだという発言を読みました。だから沖縄の人たちの反対は強いのだと腑に落ちました。
    本土からも頑張ります。

  2.  去る10月7日、1時間だけでしたが、ゲート前での座り込みに参加してきました。その際、山城さんにお会いし連帯してたたかう決意を交換でき、新たな決意を固めてきました。
     私たち、「沖縄・福島連帯する郡山の会」が発足したのが今年の4月です。「沖縄と連帯し辺野古新基地建設を阻止するために活動しよう」が会発足の目的です。
     10月6日~8日の「・・・連帯する会」が主催した「沖縄連帯交流ツアー」には37人が参加し、沖縄の多くの方々と交流してきました。
     参加者は、それぞれ「大きなものをつかんで」きました。
     山城さんが訴える通り、安倍政権の強権的横暴による沖縄の主権と人権の圧殺は、国民全体への人権剥奪と民主主義圧殺の地ならしにほかなりません。
     当面、11月10日には、「沖縄からの報告と訴えのつどい」を計画しました。
     いま、「辺野古新基地建設反対市民集会(仮称)」の開催を検討しています。
     共にたたかう決意を確認しながら・・・!
     吉川一男(沖縄・福島連帯する郡山の会共同代表)
     

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