【連帯・社会像】

連帯・共同21:報告~シンポジウム「戦争法廃止 辺野古新基地建設阻止の国民的共同を」

 「連帯・共同21」が開催したシンポジウム「戦争法廃止 辺野古新基地建設阻止の国民的共同を」(1月28日、東京・永田町の参議院議員会館講堂)の概要を報告します。また、会場で辺野古基金に寄せられたカンパを、2月9日、辺野古基金の口座に振り込みました。あわせてご覧ください。(写真撮影・藤田観龍)

 シンポジウムは、司会・進行役の小森陽一「連帯・共同21」共同代表が、「2015年に大きな運動となった安保法制という名の戦争法制に反対する運動を振り返りながら、強行採決された戦争法をどのような力をつくることによって廃止できるか、戦争法制と一体のものとして辺野古に押し付けられようとしている新基地建設を阻止するためには沖縄と連帯して私たちがどういう運動をつくっていくか、そのことをみなさんと一緒に考えていきたい」と意図を説明してはじまった。

 第1部は、黒澤いつき・明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)共同代表、中野晃一・上智大学国際教養学部教授・市民連合呼びかけ人、元山仁士郎・SEALDs・SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)中心メンバー、小森陽一・東京大学大学院教授・9条の会事務局長(連帯・共同21共同代表)の4人が、これまでの取り組みを中心に報告した。

黒澤いつき:私たちは法律家団体なので、SNSなどでの日々の発信活動に重点を置いてきた。難しい専門用語、法律の制度、国会のルールをわかりやすく解説したり、報道を紹介・分析したり、批判したりしてきた。市民の皆さんに知識という武器を手渡す活動だ。2本足で立って、自分の頭で考え、主権者が動くことでしか民主主義は正常に機能しない。正確な知識、情報を市民に流すことは法律家団体として使命だと感じています。IMG_0152

SNSの発信と並んで全力をつくしたのが憲法カフェという憲法学習会。ベトナム戦争すら知らない世代、旧来型の護憲運動を必ずしも継承できていない世代。その敷居の高さ、固い雰囲気を取っ払いたいと思い、お茶やケーキを楽しむ形で、平和憲法を守ろうでなく、まず憲法はどういうものなのかを知ってもらうことからはじめた。子育て中のお母さんも来やすいように平日や午前中も開催している。

 憲法カフェはこの三年間でじわじわと盛り上がってきたが、とくに、戦争法成立の前後は毎日複数回、日本のどこかで、憲法カフェが開催されている状態が続いた。

 戦争法案が衆院特別委員会でで強行採決された昨年7月15日、私は「まだ諦める必要はない」とフェイスブックで発信した。この記事がものすごいスピードで拡散していき、1日か2日でフェイスブックだけで40万人。朝日新聞の「天声人語」で紹介されたほどだった。

わたしは2人の子供の母。彼らを生み、育てている母としてこの闘いをあきらめる選択肢はない。

戦争法廃止の世論をもっと拡大するために、憲法カフェも、日々の発信も、もっともっと活発にしていくつもりだ。ことしの参院選は、安倍政権の明文改憲が待ち構えている。お試し改憲と称して、緊急事態条項の導入も検討しているようだ。民主主義も自由もなくなる。安倍首相、自民党主導の改憲がどのように危ういのか、選挙までに1億2000万人全員につたわるように訴えを続けていきたい。

中野晃一:いままでなかったような形で、広い、大きなつながりができてきていることが市民社会の中にある。その源泉として脱原発の運動、特定秘密保護法に反対する運動は大きかったと思う。

法曹関係者が中心となって安保関連法反対運動がはじまっていたが、立憲主義というのはあまり知られた言葉ではなかった。戦後日本は、護憲か改憲かという議論をしてきたので、立憲とはどういうことかということからはじまった。立憲主義を守るためにはデモクラシーしかない、いずれデモクラシーのうねりでなんとか食い止めようという思いがあった。IMG_0165

2014年12月に総がかり行動実行委員会が立ち上がった。さまざまな経緯のあった労働、市民団体の平和運動が大きく1つの形に実現したことは本当に大きい。いまの市民連合に至るまで、非常に大きな背骨だと考えている。

市民が一緒にやっていくなかで、若者たちが中心的な役割を果たすことは珍しい。運動に力を与えているのは女性の存在だと思う。女性が前面に出て、「誰の子供も殺させない」とか、札幌の「戦争したくなくて震える」とか、身体性に基づいた言葉で平和主義が語られるようになった。若い世代や女性が、自分たちの言葉で、人の弱さを前提とした言葉が大きな声で叫ばれるようになって、平和主義がもう1回息を吹き返して大きく動くようになった。湾岸危機以来縮こまって遠慮してきたけれどいま、堂々と、どうして平和を思うことがいけないんだといえるようになった。大きな転換だと思う。

大手町の経団連企業ではたらいている層に声が届かなかった。非正規雇用やぎりぎりの生活、子どもが小さくて来られないお母さん、地方の人たちにも。国会前を経験した人と、してない人の認識の違いを解消していくのは今後の課題だ。

市民連合は「沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止」を求めている。市民連合として候補者の誰を応援するのか、沖縄での闘いとわれわれ東京、各地にいる人間がどうつながっていけるのか、これを大きな力にして議会にもっていけるのか。正念場だと思う。


元山仁士郎:ICU(国際基督教大学)4年生、いまは休学中です。沖縄では新基地建設反対を明言した知事が当選したにもかかわらず、直後に工事が再開された。私は宜野湾市の出身、家の上空ではヘリコプターやジェット機が飛び交っていた。東京に出てきて、沖縄の暮らしが疑問に思うようになり、2015年5月3日にシールズをたちあげ、シールズ琉球は8月15日に立ち上げた。P1000182

宜野湾市長選挙でなぜ志村さんが負けたのだろうか、選対の人やシールズ琉球のメンバーと話してきたことをお伝えしたい。

1つ目は志村さんの出馬表明が出遅れたこと。現職の2か月ほど後になった。有権者からは見えない。

2つ目。保守層を固められていた。オール沖縄の戦略は革新の基礎票に加え、保守層の票を切り崩して勝つことを想定。しかし、出遅れたこともあって、保守層はがっちり固められていた。

3つ目。公明党の票を切り崩せなかった。地盤の創価学会には、戦争法に反対するなど、いろんな方々がいる。しかし、軽減税率、衆参ダブル選挙をちらつかせられたりして、公明党は佐喜眞さんの推薦に回った。

4つ目。志村さんの訴えがなかなか伝わらなかった。宜野湾市民は普天間基地を1日も早くなくしてほしいという思いがある。そのことと辺野古の基地を造らせないことがなぜつながってくるのか、いまいち浸透しなかった。

もう1つ、経済政策、地元の雇用問題がある。企業側は佐喜眞さんの支持に回ってしまった。年代別にみると、一番は普天間の返還・移設問題に関心があるが、20代、30代、とくに20代は基地と経済、雇用が半々。60、70代は基地のほうに関心がある。若い世代は自分の生活のことにすごく関心がある。経済政策、福祉、教育について志村さんはきちんと言っていたが、なかなか届かなかったことも敗因の1つだと思う。

このシンポジウムのタイトルは戦争法廃止、辺野古新基地建設阻止ですが、それだけでは参議院選挙は勝てないことが、今回の選挙から明らかになってくると思います。しっかり、経済、雇用、とくに若い人はブラック企業、ブラックバイトの言葉もあるように、1日1日の暮らしが大変だ。こういう人たちにどう訴えるか。市民連合の課題としても、経済、生活保障のことも考える必要があると思います。


小森陽一:いまみなさんの話を聞きながら、2015年安保闘争とは何だったのか、これから運動をどうしていくか、考えさせられた。IMG_0184

60年安保のときは総評がそれまで仲の悪かった日本社会党と日本共産党をつないで安保反対国民会議をつくり、傘下の134の団体が日々、国会前に人々を動員していた。その力におびえたアメリカと日本の支配層が運動を担った組織をとことん解体していった。労働組合がどのようにつぶされ、学生自治会がどのように分断され、つぶされていったか。中曽根政権のときに、国鉄をはじめとする労働組合が民営化でつぶされ、総評もつぶされ、戦争のあり方がいままで自由な組織にまで入り込んできた。

今回、そのぎりぎりのところで、みんなが立ちあがって、押し返そうとした運動だったとあらためて思う。2015年安保闘争の力をどうやって2016年の参院選、これからの運動につなげていくのか、この国のあり方を決定する闘いだと思う。

この力を、空前の共同の運動をどうやって次につなげていくのか。一番の課題だ。今回、カンパをし、旅費を出し合って、全国から国会前に来ていた。国会前の雰囲気を感じ取った人はすごい。地方に帰って、国会前と連帯していく動きになる。60年安保のときは、30万人が集まっていたが、地方は完全に自民党につかまっていた。

今回は、地方が立ち上がり、女性が立ち上がり、若者が立ち上がり、保守層も変わってきた。「戦争させない・9条こわすな! 総がかり行動実行委員会」とは、文学的センスのかけらもない言葉だが、この題名の中に、3つの団体が統一してやっていくという2014年末からの共同の苦労がしみこんでいる。それを手放さい形で、実行委員会を軸に市民連合ができ、なんとか野党共闘ができないかというところに歩を進めてきた。

自然発生的に野党はがんばれ、野党共闘の声があがってきたことが大事だ。第2部の前に、なんとなく糸口がみえてきたという中野さんに聞きたい。

中野:どう動けばいいのか、どういうふうに野党共闘の形ができていきそうか、少し見えてきたということ。総がかり行動実行委員会は、連合と全労連がまた裂き状態にあったのがいっしょになって行動する枠組みができたということ。そこで野党共闘といっていること、2000万署名は、野党共闘のタガをはめている。

難しいの民主党だ。民主党には社会党から来た人も、リベラル系も、保守もいる。民主党右派は1つの集まりではなく、3つある。

1つは、最初から相手にしようがない親米保守・従米保守。要は安保村の中でやっていて、しかし民主党から外には出ていけない。出て行ったら存在意義がない。民主党の中に日米安保村の住民がいることが重要なのだ。ワシントンから見て、彼らの存在価値はそこにある。いくら解党だ離党だと脅しても出ていけない。ただ、彼らが騒ぐことにより、民主党の足が止まる。それが狙いだ。

ではどうすればよいか。要は、黙らせればいいと思う。自民党の中にもリベラルの人たちはいるが、何も言わない状態になっている。その逆版だ。野党共闘が民主党の進む道だとなれば、黙ってそこにいるという存在にすればよい。
2つ目のグループは、従米保守みたいにどうにもならないわけではない。旧民社党、同盟系の人たち。
3つ目は、キーになる穏健保守的な民主党。小沢一郎氏や羽田孜氏についていったり、細川護煕氏の日本新党からめぐりめぐって、民主党にきた。安保政策は私とちがうが、アベノミクスとか立憲主義を壊していることなど、かなり安倍政権に怒っている。岡田克也代表も党をつぶしたくないから煮え切らないが、穏健保守。時間はかかるが、兆しは見えてきたと思う。
3原則に合致する政治家の動きが出てくれば、彼らを迎え入れることができるように、ほめておだててやってほしい。そうなると民主党の穏健保守から共産党まで含めて、真ん中にいる社民党や生活の党はやる気満々だから、形として見えてくる。そうして参院選に向かっていけたらと思う。

第2部は、4人の報告者と参加者との質疑・応答、意見交換を行った。

タカハシ(女性):秘書が悪いことをするとボスも一緒にコケるという連座制がありますが、秘書が秘書がという甘利大臣の件で連座制は適用されないのか。IMG_0242

中野:選挙とは関係がないので、公職選挙法の連座制にはならない。「秘書が秘書が」「妻が妻が」はこれまでもあったケース。本当に秘書だけなのか。

コグチ(男性):作家の辺見庸さんが朝日新聞で、シールズに対して辛辣な見方をしている。怒りの芯がみえない、現状維持ではないか、国会の集会後にゴミ拾いをしている、とか。元山さんはどう考えますか。

元山:辺見さんのはまだ読んでいないが、怒りの芯は人それぞれだと思います。私の原点にあるのは、おじいちゃん、おばあちゃんだったり、小中高校時代にきいた沖縄戦体験者の話が根底にある。翁長知事も沖縄戦のことがベースにあって、イデオロギーよりアイデンティティーだと。私も沖縄に生まれた1人として、また戦争で沖縄が捨て石になるのではないか、沖縄の置かれている状況はおかしすぎる、がまんできないというところに怒りの芯がある。

自分たちは現状に違和感を抱いている。バブルが崩壊し、オウム真理教の事件があり、阪神淡路大震災、沖縄では少女暴行事件、そしてリーマンショック、東日本大震災があった。未来に希望を持てない。私の子どもに対して、孫に対して、2015年2016年にお父さんはこういうことをやってきたと、堂々と言いたい。

抗議活動の後にゴミを拾うことは、また自分たちが使う場所だし、ほかの人たちも使う場所なので、大事にしたいと思う気持ち。自然の流れだったと思う。

杉並の男性:無党派層、支持政党なし、革新系の人間です。ぼくの親は1人は保守的、もう1人は護憲、革新系だ。その人たちに任せていたら戦争法は通ってしまい、宜野湾選挙は現職が勝った。今日の話を聞いた限りでは、保守の人でも立憲主義、民主主義を守る人と連帯しないと勝てない。辺野古の問題も、沖縄で反対しているひとは革新だけでなく保守もいる。沖縄も革新だけでは闘えない。東京で護憲、革新の運動をつづけてきた人たちには抵抗ある方がたくさんいると思うが、今までは敵と思っていた人たちとも戦略的に手を組んでいかなければ。若者に夢を託すだけではいけない。ぼくみたいな中年も、親のような年寄りも変わらないといけない。どうやれば沖縄、選挙の両方で連帯できるか教えてください。IMG_0239

元山:宜野湾市長選から見て、辺野古や安保法制についてただ反対だと言うだけではやっていけない。生活のこと、その土地の事情について把握して意見をいったり講演していかないといけない。

黒澤:東京・大手町の経済人は、9条は理想論、ユートピアだと冷笑する。核の傘の下に入れ、抑止力だという。しかし、何よりも経済が大事というならば、武装こそがもっとも経済合理性に合わない。私たちのほうがよほど現実的だ。

憲法カフェでも、資源を外に頼る中国に戦争する選択肢はないといっている。国と国が依存しあうグローバリゼーション。ギリシャみたいな小さい国が経済破綻でユーロ全体を揺るがす問題になっていった。日本・中国・韓国がもし戦争になったらというが、もう戦争という選択肢はとり得ない。9条こそが現実的なものだ。平和こそお金もうけにつながる。

小森:ある時期まであった保守か革新かという分け方から、私たちが自由になる必要がある。オール沖縄の形で運動が持続してきた力は保守か革新かでなく、米国と日本の都合で世界を攻撃できる新しい出撃基地をつくるかどうかの問題。オール沖縄に学びながら2015年安保闘争は、2014年7月1日の閣議決定で集団的自衛権行使を容認したことにたいし、立憲主義を取り戻すという一致点が保守や革新の枠組みを越えて出てきた。そこに運動の大きな転換点があった。

憲法という最高法規で国家権力を主権者が縛るという一致点を2015年の運動で獲得してきた。であるなら、1人区は32あるが、参院選で野党は共闘できないのか。保守、革新の枠組みを超えて、憲法が機能する日本に戻そうという一致点を草の根の対話でつくっていけるかどうか。地域で生きていくために、具体的な政策で、野党は共闘をつくっていけるかどうか。立憲主義を踏みにじる解釈改憲の前に戻しながら、それぞれの地域で何を実現するのか。そこまで踏み込んだ議論をやっていけるかどうかだ。

中野:参議院選、もしかしたら衆議院選挙もあるかもしれない。厳しさもわきまえておいたほうがいい。
2点ある。今までやってきていることを続けるのが大事。立憲主義がまだわかっていない人がいる。シールズって何? とか。国会前の動きも知らない人がいる。
 矛盾のようだが、今までやっていないことをやる。届いていない層に届ける。相手あってのことだから、頭ごなしに言ってもダメだ。すでにオオカミ少年のように思われている人は説得力がない。話を聞いてほしければ、まず相手の話を聞くことだ。その人は何に関心をもっているのか。1人でも身近なところで分かってもらえれば、違ってくる。1人でも投票に行かなければと思ってくれれば。

ジョウマ(男性):小森さんは立憲主義を取り戻すことが中心だという。いま、立憲主義が奪われたら生活の現場で何が不利益なのかがわからない。若者にたいして訴求力ある訴えが必要だ。沖縄はイデオロギーではなくアイデンティティーだといっているが、立憲主義はイデオロギーでとまっている、生活に届くような言葉を造っていく必要があると思う。

女性:生協だれでも9条ネットワークをOBたちとやっている。シールズに目を開かせられた。いままでと感覚が違う。私たちは幟があると集まりやすくていいなと思っていたが、そういうのを怖いと思う人たちもいる。2000万人署名も大変だ。住所を書くんですかと、怖がっている人がいることもわかった。もっと楽しそうにやらないといけないと、シールズから学んだ。

男性:問題提起だけ。民主主義の根幹は3権分立にある。日本の司法は行政権にも国会にも遠慮しすぎ。行政権が肥大した異常な国だ。沖縄の代執行について、安倍首相や菅官房長官は、行政権の継続の問題だと平気で言っている。集団的自衛権の問題でも、われわれが勝つには、国会の議席で自民公明に負けないだけの、憲法改正させない勢力が議員をとらないとだめだ。どうすれば今年の参議院選挙で3分の2を阻止するか、われわれが過半数をとるか。もっと話をききたかった。

女性:豊島区の民主党の区議会議員が街頭演説中に、思い切って声をかけた。岡田代表に伝えてほしいことを通勤途中でいった。ほめることも大事だが、時にはお尻をたたくことも必要だと思った。

男性:元山さんは経済が大事だといった。ITジャーナリストはリベラルはだめだ、経済を勉強していないというが、それを感じる人が出てきて、感激だ。

コバヤシ(女性):25日に、世田谷勝手連で参議院の民主党議員と維新の議員を全部回りました。議員はほとんどいなく、秘書に会って要請文を渡して話をきいたが、議員は議員のことしか考えていないということだ。民主党は個人営業なので「お前降りろ」といっても個人で出馬する、と。民主党の穏健保守がキーになるという中野さんの話をきいて少しほっとした。

イシイ(女性):全国の勝手連のいろいろな活動を取りまとめています。野党共闘の実現のために努力していきたい。小森さんがいったように、保守・革新の分類を超えたところで闘うつもりで頑張っている。私は分断、分裂を一番恐れている。市民連合の方にお願いしたい。いろんな層のいろんな方に届くメッセージをわかりやすい言葉で絶えず送りつづけてほしい。私たちも頑張ります。P1000141

元山:わかりやすいメッセージが求められている。若い世代は生活をどうにかしてほしい。それは憲法、個人の尊厳に結びついている。段々と戦争法、辺野古、原発の問題に結びつけて、参院選でそれをどれだけ届けられるか、相手にあわせてメッセージを発信していきたい。

中野:市民連合は①安全保障関連法の廃止②集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む立憲主義の回復③個人の尊厳を擁護する政治の実現をめざしているが、根本にあるのは、尊厳のある自由な個人の生活をできるようにする。それが一番大きい目標だ。
なぜ立憲主義が大事か、なぜ戦争に反対するか、なぜ解釈改憲に反対するか、尊厳ある生活が出来なくなるからだ。これを具体的な言葉にしなければいけない。選挙になれば、経済的議論が重要になる。

安倍首相は、いまがよければいい。少子高齢化で、使い捨て労働で、若者に未来がなく、どうやって日本の将来を描けるのか。穏健保守と社民党、共産党の目指す方向性は同じだ。(訴えが)多くの人に届くチャンスはある。

黒澤:選挙は泥臭いもので、変えることはなかなかむつかしいが、自分の1票がどうこの国の未来を変えるのかなど、うまく想像できるように立憲主義、民主主義、自由、平和をしつこく伝えていきたいと思う。大事なことは失ったときに気づくが、いかに立憲主義が大切か、尊厳ある生活がいかにありがたいか、言葉を駆使し、想像力を総動員して、考える材料を提供したい。真の主権者が1人、2人と増えていくようにお手伝いができたらいいと思う。

小森:みなさんの積極的な発言があり、かなり深い議論ができたと思う。私たち1人1人が人間の尊厳を掲げて2016年、きちんと対話をしつづけるか。対話をするうえで大事なことは、中野さんもいったように、まず相手の言葉に耳を傾けること。耳をかたむけてくれた参加者のみなさんは、もっともいい働き手になる可能性がもっとも高い人々だと思います。

 最後に、主催者を代表して星英雄「連帯・共同21」共同代表が4人の報告者と参加者にお礼の閉会挨拶をのべた。
 「みなさん、東京で100万人の集会、100万人のデモを実現したら政治はどうなるか、想像したことがありますか」と問いかけ、沖縄は10万人規模の県民大会を開いて日米両政府に抗議してきたこと。沖縄の10万人は東京の100万人に相当すること。その力で沖縄は「オール沖縄」の動きをつくり、翁長県政を実現してきたこと、主権者・国民の政府を持てるほど運動を大きくしたい、などと話してシンポジウムを終えた。

(参加者からの感想・意見は明日掲載します)

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辺野古基金へのカンパありがとうございます~1・28シンポジウムの会計報告

シンポジウム会場では、辺野古基金へのカンパが4万1250円集まりました。皆さんのご協力に感謝します。

シンポジウムは、皆さんから受領した資料代が総計7万9500円になりました。主催者の1人である小森陽一氏以外の3人の報告者のみなさんへの少額の謝礼、チラシ製作費などを差し引きして、6943円の残金がありました。
みなさんからのカンパと、シンポジウムの残金の合計、4万8193円を、シンポジウム「戦争法廃止 辺野古新基地建設阻止の国民的共同を」参加者有志の名で、辺野古基金に寄付しました。(2月9日、ゆうちょ銀行から辺野古基金に振り込み、コピーを添付しました)

「戦争法廃止 辺野古新基地建設阻止の国民的共同を」参加者有志の名で辺野古基金に 4万8193円、振り込みました

「戦争法廃止 辺野古新基地建設阻止の国民的共同を」参加者有志の名で辺野古基金に
4万8193円、振り込みました

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