シンポジウムに参加された皆さんから、意見・感想が9通届きました。到着順に掲載しました。〈タイトル(名前:・・・)は「連帯・共同21」がつけました。〉
伴啓吾:選挙戦略について
1月28日のシンポジウムに参加しての感想を、選挙戦略に限って言います。手の届きにくい層としての「大手町周辺の正規エリート社員」は、とりあえず後回し、喫緊の対象を「選挙に行かない非正規層」に絞りたいと思います。そういう人々の「思い・要求」を聞き、感じ取り、それと戦争法を繋ぐ簡潔で的を射た言葉で会話する。時間がありませんから、そういう戦術を徹底することが効果的ではないでしょうか。選挙に行かない層40%を例えば30%にする。そういうイメージです。そのための言葉を、現場や、言葉の専門家である小森先生等との間の相互やり取りで練り上げていく。そういう構え、準備、行動を早く共有して行きたいと思うのですが如何でしょうか。 (「損保のなかま」編集長)
山名泉:今後も「安倍政権NO、安保法制NO」を
28日の「シンポジウム」に参加させていただきありがとうございました。
私は明日(31日)から沖縄へ行くことでもありみなさまの話しを興味深く聞かせて頂きました。因みに昨年は3度訪沖しその都度辺野古を訪れました。今回は観光主体ですが「辺野古にも」と思っています。
シンポで皆さまの話しを聞いて。
シールズ・元山さんの「宜野湾市長選・八王子市長選で負けた」ということに大きく反応した方がいらっしゃいましたが、23日の北とぴあの集会で同じくシールズの筑波大学院生が言っていたように「1回の選挙で一喜一憂しない」ということも重要です。八王子にしても間もなくの京都市長選にしても、もともと簡単に勝てる選挙ではないのですから。
夏の参院選を含めて、今後も「安倍政権NO、安保法制NO」を強く打ち出していくべきと思います。安倍政治をこのまま進めたら、「国民主権」が失われていくことは必定なのですから。中野先生もおっしゃっていましたが、このようなことで合意できる民主党議員を多く引っ張り出すことが肝要と思われます。
全体として中野先生、小森先生の話しを大変心強く思いました。
シールズのこれまでの活動には大いに敬意を表しますし、とくに多くの人たちにアピールするための努力・工夫には感心するばかりです。
このような集会のセッティング、ありがとうございました。
T.Y:パワーを感じない
市民連合どうした?進行者もパネラーもこんなにパワー不足で弱気な話に期待外れで途中で抜け出したい気持ちでした。最後のミナカナの女性の力強い発言でホットしました。
市民連合は運動体ではないなら名称を返上したらいい。宜野湾は経済敗北論などありえない。原発地元民と同じくくさい金に負けた。学者と学生の運動は非正規の若者たち等現実の市民運動家と連携するパワーを残念ながら感じられない。せっかく立ち上がった学生や学者のひ弱さがとても気になる。今から、あの熱狂がよみがえる運動に舵をきってほしい。
高橋智子:いくつかの提案
有意義なシンポジウムを開催いただき、ありがとうございました。
SEALDS RYUKYUの元山さんがおっしゃっていた、「辺野古埋め立て反対だけでは勝てなかった、宜野湾市の方は生活がある。」というご意見に納得しました。ただ、これが名護市長選挙だったら、逆の結果だったと思います。県民というレベルで見ると、「オール沖縄」で埋め立て反対、はゆるぎないと思います。
安倍政権はしたたかです。自分は姿を消して巧妙に報道介入します。
甘利が辞任したとて、そこそこの支持率はキープするでしょう。
さて、そこで
・議員に働きかけ、緊急事態法の恐ろしさを誰にでも分かりやすく、国会で質問してもらう、
その際、「前置きはいいです、YESかNOかで答えてください。」と言う。きっとだらだらはぐらかすので安倍のアホぶりが全国中継される。
・自民党壊憲草案の、たとえば、「家族は皆で助け合う」が現実のものになると
福祉が手薄になる、家族の介護が必要になったら離職の必要性が高まり、
安倍の掲げる「介護離職ゼロ」と矛盾するのではないか、男性も、オレは働いているから、
は、通らないよ、等、身近な問題点を挙げ、分かりやすくチラシにする、
などできないかな、と言うことを提案させていただきたいと思います。
齋藤貞二:どうすれば 無関心層に声が届くか
大変さん参考になった有益なシンポジウムでした。特に中野晃一先生の「野党共闘」に関する民主党への働きかけで少しは希望が持てるとのお話、まさに「希望」でした。市民連合の働きかけが実りあるものになることを願っています。
このような催しに参加される方々は政治に強い関心を持っておられると思いますが、なんといっても最大の政治勢力=無関心層にいかに声を届けるか?無関心層の方々が投票所に足を運ぶにはどうすればよいのか?彼らの話を聞くにはそうすればよいのか? が今後の課題だと感じました。
胡口靖夫:元山さんに直に聞いて思うこと
小生、たくさんのシンポジウムに参加してきました。しかし、参加者の感想・意見をも反映した「報告」は初めてです。趣旨に賛同し実名で投稿させていただきます。よろしくお願いします。
私がSEALDsの戦争法案反対の国会正門前集会(デモ)を知ったのは、恥ずかしながら『しんぶん赤旗』2015年7月1日付が報じた6月19日の集会で、樋口陽一さん(東京大学名誉教授)がスピーチした内容を読んで深く共感を覚えたからである。それは、「若い諸君の力強い声、生き生きとした姿。これに接して、この国の今と未来に、もう一度私は自信を持ちました」という短文である。
遅ればせながら、7月3日の5回目から参加し、9月19日未明まで毎回加わった。もちろん「表参道デモ」にも「新宿伊勢丹前の歩行者天国集会」にも出かけた。これらのことは拙稿「サ外大の『憲法9条』授業とSEALDsなどの抗議行動の歩みと経験」(拙著『ウズベキスタンと現代の日本』同時代社、本年2月初旬刊所収)に書いた。
その後、SEALDsと同琉球の中心メンバーである元山仁士郎さんのインタビュー記事(『朝日新聞』2015年9月29日付17面の「耕論」欄掲載)を読んだ。「『選挙後お任せ』終わった」の中見出し、「『自分の言葉』で」と「デモ文化は根付く」の小見出しに眼が吸い寄せられた。
全文を3回読んだ。なんと自己に誠実で頭脳明晰な人なのだろうと感銘を受けた。聞き手の『朝日』編集委員・松下秀雄さんの質問が簡にして要を得ていたこともあろうが、約4ヶ月のデモを十分に総括し、今後の展望をも明示していた。
その元山さんが、「連帯・共同21」の「戦争法廃止 辺野古新基地建設阻止の国民的共同を」のシンポジウムにパネリストの1人として報告をされるという。それを先日の「北とぴあ」で開かれた「市民連合」の集会でもらったチラシで知ったので勇んで出かけた。
その理由は、『朝日』が、本年(2016年)1月21日付15面の「インタビュー」欄で作家・辺見庸さんが、SEALDsについてきわめて辛辣な批評をしていたので、それについて元山さんにぜひとも意見や感想を聞きたかったからである。
シンポの趣旨に賛同する“翼賛的”な発言はいずれ出るだろうと予測していたので、初手に挙手して質問した。辺見さんは、SEALDsに対して主につぎのように述べていた。
○A「『怒りに芯』がない」、○B「現状維持を願っているような感じがする」、○C「なぜ、国会前デモのあとに行儀良く道路の掃除なんて出来るのでしょうね」。
まず、元山さんは、率直に「私は辺見さんのインタビュー記事が出た頃は、出身地の沖縄・宜野湾市長選挙の応援で現地に行っていましたから読んでいません」とことわって次のように答えた。(文責筆者)
○A「『怒りに芯』があるかないかということは、主観的なことなので答えようがない。少なくとも私(元山さん)は、心の底から怒ってデモをした。今後もその気持ちで運動を続けてゆきたい。」(筆者注:この文脈ではなかったかと思うが、元山さんは、国際基督教大学教養学部4年生だが、「休学した」と発言した。かつての「安保闘争後」エリート官僚や大企業のサラリーマンとして“転向”した学生は、多数いたが、「休学」して運動を続けたという人は、寡聞にして筆者は知らない。)
○B「現状維持を願っているわけではない。ブラックバイトを2つも3つもやって大学に通っている友達をたくさん知っている。この現状をなんとか変えたいと切実に思っている。」(筆者注:辺見さんは、インタビューで「米欧のサミットに反対するデモは、資本主義のあり方そのものに反対している。」と述べている。おそらくそれに対してSEALDsは腰が引けているという否定的な論法なのであろう。しかし、今どき反資本主義(=社会主義革命?)をコールして誰が共感し、集会に参加するのか。辺見さんの主張は、「21世紀型の運動」を理解できないアナクロニズムである。」)
○C「集会後に道路の掃除をしたのは、自然発生的です。どうしてそれが否定されるのか理解できません。」(筆者注:筆者が高校3年生の時、1960年6月新安保条約が自然承認された夜、仲間7~8人とともに親に無断で徹夜して国会前で座り込んだ。その時、私が保温のために新聞紙をシワクチャにして学生服の中に入れることをアドバイスした。女子生徒もいた。夜が明けて帰宅するとき、それを路上に捨てた。誰も不思議に思わなかった。辺見さんは、筆者とほぼ同年令だが、どうも感覚が違うようである。SEALDsの学生たちが、かつての筆者たちのような振る舞いをしたら顰蹙はおろか反感を買うだけであろう。辺見さんは、「SEALDsの行動は『現象』だとは思うけど、ムーブメント(運動)だとは考えていません」と述べているが、これも失当であろう。)
最後に、筆者は、高校の社会科教員時代に何回か、「平和学習」として沖縄へ修学旅行の引率として訪れた。しかし、「辺野古」に当時行ったことはない。今回、明日2月4日~2月7日「現地のテント村」と「連帯・共同」するツアーに参加して、初めて行くことになった。「事前学習」をしているが、もっとも感服したのは、対談「沖縄はアジアと日本の架け橋になる」(翁長雄志VS寺島実郎、『世界』2015年5月号所収)である。一読されることをお勧めしたい。(こぐち・やすお ウズベキスタン共和国・サマルカンド国立外国語大学名誉教授 2016.2.3)
森田俊隆:戦争法廃止・辺野古新基地阻止についての意見
戦争法廃止に関連して: 野党共闘の現状を見ると楽観的見通しは全くたてられない。もうこうなったら外圧頼みだ。稲田知美の言う東京裁判見直しなるProjectをどんどん進めてほしい。そうするといずれ中国が戦後賠償免除取り消しを言い出す。あのような強権的国家だから、日中貿易が打撃を受けても強行する国だ。日本はそんなことは無理だ。日本経済は大変な苦境に陥る。アメリカは日本の味方にならない。せいぜい「平和的解決」の声明を繰り返すだけだ。
国民はやっと「こんな国際的に孤立するような国になっていたのか」に気づく。ここで売国奴とかなんとか言われても「この点については中国が正しい。日本は改めて戦争責任を自覚し、徹底的平和主義の道を歩む」と野党が宣言できるかだ。「現実路線」とか称して安倍政権の暴走的政策の先鞭をつけたのはほかならぬ民主党野田政権であり、民主党右派の罪責は大きい。自民党政権との対立軸を明確に示さなくして選挙で勝てる訳はないことを民主党は知るべきである。
どっちでも同じなら国民は政権担当能力が証明されている自民党を選ぶのは当たり前である。民主党右派が立候補予定されているところはすべて市民連合推薦無所属候補とし、無所属議員での会派をつくり議会では社民党との統一会派として活動してほしい。
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辺野古基地に関連して:国地方係争処理委員会の決定書を読んだ。こいつらは何を考えているのか、と腹立たしい。議論が紛糾したと聞いたがどうして少数意見がちゃんと述べられないのかがおかしい。あの委員長は雄川一郎の弟子だったと思うが親分と同じだ。行政法は政府のなすことには合法性の推定を前提にしている法である、と言っているかの如くだ。
防衛大臣が国土交通大臣に不服審査することは無意味であることくらい赤ん坊でもわかる。そのような無意味な不服審査は方は認めないから国地方係争処理委員会の対象としていない、ということだ。なにが「明白ではない」というのだ。色眼鏡で見ていれば「明白に」見えないことは「明白」である。それにしてもなぜ少数意見が示されないのか不服である。委員のだれか、辞任して内情をぶちまければ良い。
もう一点。辺野古基地はおそらく日本の外務・防衛官僚がアメリカに「海兵隊いて頂戴」と頼み込んだ結果決まったものと思う。あの旧外務官僚の安保専門家なる人間の抑止力議論の立て方がそれを示していると思う。アメリカ政府が辺野古基地のことを「日本の国内問題」とする理由もそうだ。なんとか、その証拠をだれか探してくれないものか。
本当はアメリカは普天間の移設などでは全然なく、日本政府が「海兵隊いて頂戴」と頼んでくるから、「それなら、立派な基地を作って頂戴。実は昔、辺野古がいいと思っていたのだ。当然日本の金で。もちろんグアム移転も半分日本の金で。」というアメリカのたかりの口実を与えた、ということだと思う。証明されたら、この問題も潮目が変わる。
角倉洋子:自分の頭で考え、行動する人たちのシンポジウムだった
4人のシンポジストの報告の第1部と、シンポジストと参加者の意見交換の第2部がよくかみ合って、参加者1人ひとりにとっても、自分で考え行動することの意義を確認し、中身のあるシンポジウムだったと思います。
私は多くのシンポジウムに参加してきましたが、参加者がシンポジストにお礼を言った後は、活動報告に終始する感じで、討論にならないことが多いのです。今回、どうして中身のあるシンポジウムになったのかなと考えると、4人のシンポジストのみなさんは現場に足を運び、運動に精通している方たちですし、会場に足を運んできたみなさんもいま運動に主体的にかかわっている方たちだったからだと思いました。だから、議論がかみあったんではないでしょうか?!。
シンポジストも会場の発言者も、自分の頭で考え、悩み、模索している言葉だったと思います。上から目線ではありませんでした。シンポジストの穏やかな、決めつけではない語り口。コーディネーターの小森さんをはじめ4人の方は、自分の考え、やってきたことを正直に提起してくれたように思います。
こうなると、参加者も自分の思いを話しやすいですよね。「自分はこう思う、その先をもっと知りたい」といったような発言もありました。このシンポジウムは、みなさん自分を語ったのだと思いました。
こんなシンポジウムが重なっていけばいいなぁ~と思いました。「連帯・共同21」には、これからもこのような機会をつくっていただきたいと切に願っています。
小林みどり:シンポジウムに参加して
シンポジウムは、いろいろなシンポジストの方のいろいろな観点からのお話が聞けて、とても有意義でした。中野晃一さんの民主党の穏健保守の人をほめて、おだてて育てるというご意見は、一番興味深いものでした。
私は「世田谷勝手連」のメンバーですが、1月25日に参議院の全民主、維新の国会議員事務所に8名の有志でロビングしました。野党共闘の要請文を渡して、秘書の方たち(内3名の議員)と話してきましたが、現状は共闘はなかなか難しそう、無理ではないか、という感想を持ちました。
それで中野さんの民主党穏健保守の人たちへの働きかけのお考えに希望を持ちました。今度は衆議院議員へのロビングをしたいと考えています。ただ、岡田さん以外、誰が穏健保守か分かりません。中野さんに教えていただきたかったです。また、おだてて、ほめて育てるのは具体的にどのようなことをすればいいか教えていただきたかったです。(ひとまず、ロビイングをします。)
元山仁士郎さんの宜野湾選挙の敗北の理由のお話は、選挙への取り組みは早いほど良いと言うことが分かりました。そして、「戦争法廃止」では参院選は勝てないということは、大変ショックでした。私は立憲主義の回復、戦争法廃止、だけで訴えていきたいと考えていましたので。それで有権者は一致団結できると思っていましたので。
経済、生活保障のことで訴えていくことが大事とのこと、経済に疎いため、これから勉強し、そのことを自分の言葉で話せるようにしたいと思います。また、「個人の尊厳を擁護する政治の実現」の具体的な内容を自分で整理して、話せるようにしたいと思います。