【連帯・社会像】

連帯・共同21:原発、辺野古新基地、戦争法の根は1つ、選挙で勝とう

 福島と沖縄の連帯、そして戦争法廃止へ。東京電力福島第1原発事故から5年の3月26日、3万5000人が東京・代々木公園に集い、「原発のない日本の実現」を誓い合った。安保関連法廃止を求める市民運動の高まりと、野党共闘が進み始めている政治情勢に、参院選(衆参同時選)で、自民党・公明党に勝とうの思いがあふれていた。(写真・藤田観龍、星英雄)

 「原発のない未来へ! つながろう福島! 守ろういのち!」の集会のメインステージの発言を紹介します。IMG_9668IMG_9661IMG_9641

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 首都圏反原発連合のMisaoRedwolf(ミサオ・レッドウルフ)さん

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 福島の原発が爆発してから5年。私たちは絶えず脱原発の声をあげつづけてきた。重い5年を過ごしてきたのが福島の人々だ。福島を忘れてはいけけない。今日はこのことを大きな軸にした集会とデモになっている。自主避難者に対する住宅の無償提供が来年3月で打ち切られる。安倍政権が自主避難者をはじめ、福島を切り捨てようとしている。安倍政権は事故前の原発推進になっている。許してはいけない。はじめて稼働中の原発、高浜原発が大津地裁で止められた。私たちの大きな希望になったのではないか。国民の8割以上は原発いらないといっている。この夏の参院選で、脱原発を訴える政党に頑張ってもらいたい。

 さよなら原発1000万人アクション、ルポライターの鎌田慧さん

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 大津地裁は稼働中の原発を止めた。その裁判官の勇気の一部に、私たちの運動があったことを、私たちは自負している。この裁判官を孤立させない、左遷させない運動をはじめよう。もう経済じゃない、人間の命だ。日本はどうして人を犠牲にして繁栄しようとするのか。もう原発は福島、日本、アジアだけの問題でない。世界の問題だ。その最先端で私たちは闘っている。


 作家の澤地久枝さん

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 アメリカには「アメージング・グレース」や「ウィー・シャル・オーバーカム」の歌がある。(日本でも)これからの集まりにはみんなが1つになれる歌をうたおうじゃありませんか。私は5年前の3月に直感で「世直し」の時が来たと思ったが、「世直し」どころかもっと悪くなった。福島の人から故郷を奪った責任を政治は負うべきだ。安倍さんは原発を輸出する人間だ。私たちはなめられている。戦争法は、いつ始め、なんのためかわからない戦闘行為に投じられて血を流すことだ。原発の爆発の被害者の死の後に、戦死者が出ることを閣議で決めた。

 福島原発告訴団の佐藤和良さん

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 この5年間、一人ひとりが虫けらのように扱われて生きていかなければならないのか、をつくづく感じる。故郷を奪われ、生業を奪われ、家族が散り散りに全国に避難して生きている。原発のない未来、核のない未来に向けて手をつなぎたい。現実は多くの困難を抱えている。オリンピック前に、福島原発事故はなかったものにしようとしている。汚染された地に帰ることを強制しようとするのが安倍政権のやり方だ。これ以上、原発の稼働を許してはならない。福島を切り捨て、福島県民を棄民化する安倍内閣の原子力政策を許すわけにはいかない。

ベルラーシから駆け付けたチェルノブイリ原発事故の被害者、ジャンナ・フィロメンコさん

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 当時、ソ連政府はチェルノブイリ原発事故の危険を国民に教えなかった。すべて順調だ、安全だと信じさせようとした。しかし、放射線量はとても高かった。子どもたちが外に出たがるので、春や夏は好きになれなかった。生存をかけ、移住を求めざるをえなかった。政府は責任を放棄したので、「被害者の会」をつくらざるをえなかった。私たち、子、孫がいつ病気になるか、不安を抱いている。そして福島の事故を知った。自分たちの住んでいた場所をすてることがどんなにつらいか、自分の家族や友人の健康がどんなに心配か。被害者の声を聞き、被害者に話す機会を与え、かれらの権利を守らなければならない。チェルノブイリ事故の後、愛する祖国ベラルーシに長年支援してくれた日本の人々に感謝します。

原水爆禁止愛媛県協議会の中村嘉孝さん

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 四国電力はプルサーマルをおこなう伊方原発3号機を7月にも再稼働させようとしているが、敷地の前には世界最大級の活断層がある。でたらめな再稼働を許していいのか。反対や不安の声をあげづらい空気が作られている。昨年、伊方町に隣接する八幡浜市の市長が再稼働を了承した。独断的なやり方に市民や議員は、再稼働賛否の住民投票を求める署名活動に取り組み、有権者の3分の1の9939筆集めた。惜しくも条例制定の議案は否決されたが、これまでにない動きだ。瀬戸内海に原発はあってはならない。


脱原発首長会議・元東海村村長の村上達也さん

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 2012年の安倍政権誕生で、東海第2発電所の日本原電は生き残りをかけて県民意識を再稼働に向けようとしている。しかし、とくに首都圏から見て、動かしてはならない原発だ。東海第2発電所は10キロメートル圏内に75万人、福島第1原発は8万人だ。2500億円をかけて壁をつくって津波を防ぐなんて、嘘っぱちだ。なぜ、政府は原発をやめると言わないのか。福島の事故に、政府をはじめ誰1人責任をとっていない。首都圏から、日本から、世界から原発をなくしたい。


原子力発電に反対する福井県民会議の宮下正一さん

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 3月9日、大津地裁は仮処分を決定し、再稼働したばかりの高浜原発3号機が止まり、4号機も再稼働できなくなり、本当にうれしい。しかし、原発推進勢力が批判を集中させている。大津地裁にお礼と励ましの葉書を出そう。高速増殖炉のもんじゅはとても危険だ。プルトニウムを原料にするもんじゅが暴走すると、単純に計算して長崎の原子爆弾の200倍を超える。私たちの命や健康は私たちの連帯の絆でしか守れない。もんじゅを廃炉へ、すべての原発を廃炉へ。


FoEJapanの吉田明子さん

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 福島の原発事故を経て、電力自由化に私たちはどういう選択をしたらいいのか。4月からの電力自由化で、原発を推進する東京電力以外の電気も選べる。しかし、安さだけで選んでいいのか。いま安いのは石炭火力だが、気候変動の被害は深刻だ。新規建設が相次いでいるが、そんなにたくさんの電気を5年後、10年後に必要とするか。いずれは原発を推進することになりかねない。再生可能エネルギーを重視する電力会社を選ぼう。

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の福山真劫さん

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 福島の怒りに共感する。戦争法廃止、安倍政権退陣、野党は共闘のコールが響いている。戦争法は日本の自衛隊がアメリカの軍事戦略に沿って、世界で戦争することになる。連帯して闘えば安倍政権を追い詰めることが出来るという確信を作り上げてきた。2016年、私たちは2つの分野で戦うことになる。1つは、2015年を超える大きな運動を作り上げて安倍政権を包囲する。2000万署名はいま500万集まっている。もう1つは、参院選に勝つことだ。国会の中で野党がもっと力を持たないと安倍政権の暴走は止まらない。戦争法の廃止、沖縄・辺野古に基地を造らせない、脱原発をめざす野党が連帯して闘わないと勝てない。自民党・公明党の支持者も今回の選挙は、自民党・公明党にお灸をすえてほしい。私たちが連帯して闘えば、野党が共闘して闘えば勝てるという確信をもって頑張ろう。


 沖縄から2人が参加した。
 基地・軍隊を許さない女たちの会・オール沖縄会議の高里鈴代さん。

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 安倍政権は代執行裁判で裁判所の和解を受け入れた。しかし、安倍政権は和解を受け入れたときから唯一の解決策は辺野古だと言っている。和解は解決ではなく凍結だ。いまも緊張の中で(辺野古の)座り込みをつづけている。2014年7月1日は、戦争法案が閣議決定された日。同じ日に、辺野古のボーリング調査がスタートした。戦争に向かおうとする政府、そのために必要な新たな基地建設のスタート。米国との軍事同盟関係をさらに深めていこうとすることで、根はつながっている。同じように、原発の再稼働もつながっている。今回の女性に対する加害者はキャンプ・シュワブの兵士だった。沖縄は沈黙を拒否して声を上げ続けている。そんな思いで辺野古の座り込みをつづけている。たくさんの人が辺野古にきてくれるとうれしい。

沖縄平和運動センターの山城博治さん。吠えて、歌った。

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 怒りを持って、安倍のおぞましい政治を糾弾しよう。福島の悲劇を覆い隠し、原発の再稼働に汲々とし、東京オリンピックを開催して福島の人を案内するというふざけたことをいう安倍は何者だ。何を考えているんだ。人々の怒り、悲しみ、苦しみを、ふざけた物言いでごまかす政治家は許すわけにはいかない。中国との戦争に備えるといって、沖縄の要塞化がはじまっている。辺野古新基地建設がそうだ。警視庁、海上保安庁の暴力を跳ね返し、工事中止に追い込んだ。全国の仲間の力だ。感謝します。引き続き力を貸してください。

〽いまこそ立ち上がろう、いまこそ奮い立とう、辺野古の海を守るために・・・

 歌の途中から、発言者がスクラムを組んで合唱した。

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 第2ステージでは、福島県葛尾村の畜産農家、松本信夫さんはこう訴えた。すべての牛をロープでつなぎ、断腸の思いで殺処分した。東京電力の経営責任者が被災者宅を見舞った姿を見たことがない。東電の経営者をロープでしばってやりたい。

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 第3ステージ。安保関連法に反対するママの会@東京の相澤理恵さん。国政はむつかしいので政治家に任せておけばいいと思っていたが、原発事故をみても、政府は国民にとって大事なことを隠す。夏の選挙で戦争は嫌だとつきつけましょう。

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集会の後、3コースに分かれてデモ行進した。

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連帯・共同21:原発、辺野古新基地、戦争法の根は1つ、選挙で勝とう” への1件のコメント

  1. 我が家は、愛媛の伊方原発から170キロ、高松市にあります。全国の原発から160キロ圏の輪を書くと、沖縄と香川県東部くらいが、はずれます。だから、安心か。そんなことはない。偏西風が吹いているから、フクイチクラスの原発事故があれば、香川も瀬戸内海も大変な事態になるのは必至です。
    韓国の古里(コリ)原発も、台湾の原発もあぶない。ベルギーのテロで、「原発が標的にされた疑い」も報道されていた。はやく原発ゼロにしないと、本当にあやういと思います。

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