【連帯・社会像】

大沼博良:弱者に冷たい安倍政権

 2016年6月11日、12日、青森市においてオストミー協会全国大会が開催されました。

 オストミー協会は、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)が安心して暮らせる社会を目指しているオストメイトのための障害者団体です。オストメイトの社会復帰と生活の質の向上を図るための活動をしています。

 全国大会は、安倍政権の障害者福祉を厳しく批判しています。大会報告はこういいます。「厚労省は、平成27年にオストメイトの障害者年金の障害認定時期を手術日から6ヶ月経過後となる改正を行ったが、この障害者福祉後退の施策」

 60歳定年になった方は分かっているのですが、現在の年金は60歳定年と同時には支給されないのです。今は65歳になってから初めて全額支給されるのです。

 60歳から65歳までの間、それまでの預貯金や退職金を食いつぶして生活しなければなりません。収入が多く預貯金がたくさんある人・退職金が多額な人は心配ないでしょう。
 
 しかし、多くのサラーリーマンは経済的にもちこたえることは出来ません。だから、多くの定年退職者は再雇用や再任用で仕事を続けているのです。

 これまでは、定年退職後病気や事故でオストメイトになったとき(手術をして人工肛門や人工膀胱を保有した時点)から障害者年金の請求が出来ていました。その時点から年金が特例として全額支給されてました。

 その制度が改正されて、6ヶ月の経過後でなければ請求できないことになったのです。

 障害のために仕事が出来ず、6ヶ月の間仕事の収入もなく過ごすことになるのです。年金も出ません。半年分の年金ですから半端な金額ではありません。

 年金の財源が大変だという理由で、切られるのは弱者です。

 自民党の参議院選挙障害者政策「政策BANK」には「・・弱い立場の方には、援助の手が差し伸べられるよう社会保障を充実します。」「障害者が自ら望む地域生活を営むことができるよう「生活」と「就活」に対する支援を一層充実します。」と書いています。

 しかし、実際にやっていることは全く逆のことです。年金財政のしわ寄せを、障害を持っている弱者に押しつけているのが、安倍・自民党なのです。

 紙に書いた自民党の政策は、参院選対策です。文字面をみて、だまされてはいけません。今度の参議院選挙では障害者の立場からも安倍政権を退場させる選挙結果にしたいとおもいます。

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