【連帯・社会像】

星英雄:福島の人々、沖縄の人々の思いを受け止め、運動をさらに大きく

 大粒の雨に襲われた22日、東京・代々木公園で「さようなら原発さようなら戦争」の集会が開かれた。9500人の市民が集った。主催は「さようなら原発」1000万署名。東京電力福島第1原発事故から5年半。被災者・被災地についてさまざまな角度から報告され、沖縄と連帯して闘うことの大切さが強調された。

 飯舘村から避難して仮設住宅で暮らしている長谷川健一・ひだんれん共同代表はこんな話をした。dsc01751

 私のふるさと飯舘村は汚れた村になってしまった。避難が遅れて、福島県民のなかでも飯舘村民はダントツの被曝をしてしまった。飯舘村で生活できない。

 マスメディアはたまに福島のことを報道しても「復興」「復興」、「除染は進んでいる」といった「いいこと」ばかりをいっている。

 しかし、飯舘村は7月現在、放射能に汚染された黒いフレコンバッグが180万個あり、さらに月10万個のペースで増え続けている。村には今後、10年以上はフレコンバッグが置かれることになる。

 来年3月31日、国は避難解除をする。だから帰村しようというが、なんの補償も確約もない。帰る人は自己責任で帰りなさいということだ。我々は安全に帰ることを求めている。原発事故から5年半、避難生活は限界を超えている。

 我々が国に求めているのはたとえば、広島、長崎のような健康手帳だ。しかし国は、福島はチェルノブイリより過小な事故だから考えていない、という。

 飯舘村は農家がほとんどだ。村に戻りたい人は高齢者だけだ。戻れば生活しなければならない。水俣病のように、農家が売れなかった場合の差額の保障が必要だ。

 私はチェルノブイリに行ってきたが、きわめて悲惨だ。飯舘村もそういう状況になるという思いがします。私たちのような苦しい現実をわかってほしい。2度と原発を再稼働させない、原発をなくす運動をしていこう。

 避難の権利を求める全国避難者の会共同代表の中手聖一さんが訴えた。dsc01756

 殆どの自主避難者は住宅支援すら受けられずにきた。政府の避難指示による強制避難者も支援を打ち切られようとしていて、自主避難者と同じになろうとしている。

 だれ1人、好きで避難した人はいない。原発事故でやむをえず避難をした。私たちには避難する権利があるんです。住宅支援というが、本来は住宅補償であるべきです。

 まだまだたくさんの人たちは住宅支援なしに避難をつづけられない。汚染された土地に戻って被曝を受け入れるか、生活できずに貧困になるか。この国はその選択を私たちに押し付けている。

 住宅支援の継続は、私たち避難の権利を求める者にとってはきわめて大事な一里塚です。だれ1人、いまの住宅から追い出されることがないよう、活動を続けていきたいと思います。

 会場にはブースが並んだ。

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 作家の澤地久枝さんは主催者を代表して挨拶した。

 政府は「もんじゅ」だけでなく、原発をやめる勇気をなぜもてないのか。
原発事故から5年半も経ったが、何一つ解決していない。(事故を起こした原発は)放射能を出し続けているし、故郷を奪われた人たちがかつての暮らしに戻っていく日はない。なぜ私たちが望んでいる原発をなくす方向に行かないのか。img_0035

 東京電力は政府の力を借りてやってきたが、そのお金、これからかかるお金は消費者の電気代に上乗せするんです。これから電気代がいくらかかるか見通しはない。

 政府は電気代に上乗せするというが、こんなバカなことはありますか。東電の福島原発事故の責任を、なんにも知らない人たちがいつの間にか払わせられるようになる。

 原発をやめるという私たちの声を、政府がもう少しまともに考えるところまでいい続けていかなければならないと思います。


 武藤類子・ひだんれん共同代表はこんな訴えをした。

 とうとう「もんじゅ」が廃炉に向かう気配があり、国内の原発は少しずつ追い詰められているようにも思います。市民の力がわずかではあるけれども、社会を変えようとしています。まだまだ押したり引いたりの大変な闘いですが、あと一息をみんなで頑張りましょう。img_0036

 原子力施設がつくられた地域には稼働が終了しても残る問題がある。六ヶ所村、東海村に貯蔵された放射性廃棄物や廃液、各原発の使用済み核燃料、48トンものプルトニウム、廃炉作業の困難。取り組むべきことは山積みだ。

 汚染された大地と壊された暮らしをいまだに回復できない人々が数多くいる原発事故後の福島をはじめとする汚染地域。「復興」が宣伝され「復興」が進んでいるように見える福島で、どんなことがおき、私たちがどんな闘いを強いられているか知ってほしい。

 何百年か先に、私たちの未来の世代が、原発事故を決して起こしはしない遠い教訓として語ることができるように、また明日から、あらゆる命が大切にされ、役割を全うできる世界をみんなでつくっていきましょう。


 「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲行動実行委員会の木村辰彦さんは、裁判闘争の結果はどうあれ、沖縄県知事が埋め立て設計変更などに関する権限を行使すれば、辺野古新基地建設を阻止できると沖縄県民は確信していると発言。

 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の福山真劫共同代表は、「第2の加害者」にならないためにも沖縄にきちんと向き合おう。運動をさらに大きくし、戦争法廃止、辺野古・高江の基地建設を阻止するために闘おうと訴えた。

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