東京電力福島第1原発事故で全村避難中の飯舘村・村長選挙が16日に投開票された。17日から韓国ツアー(東学農民軍の旅)に参加してしばらくの間日本から離れていたため、選挙結果についてふれることができなかった。遅くなったが、私の見方について簡単にでも、記しておきたいと思う。
飯舘村の有権者は5236人、投票総数3709人。投票率は70.8%で、過去最低だった。菅野典雄現村長の得票数は2123票、対立候補の新人・佐藤八郎氏(無所属)は1542票を獲得、その差は581票だった。
来年3月に帰村宣言をし、村民を放射能に汚染された村に帰らせようとする菅野氏に、「避難解除は村民の同意がない」と白紙撤回を訴える佐藤氏が対立する構図の選挙だった。結果について河北新報オンラインニュースは「原発事故後の対応でも国や東電と関係をしっかり築いてきたとアピールして支持を得た」と報じた。
マスコミ論調はおおむねこのようなものだが、本当にそうなのか。電話で数人の村民にきいてみた。
村民の1人はこういった。「村民の多くは、今の村長は国のいいなりだということを知っているし、帰村宣言をしたら補償が打ち切られることも知っている。そうなんだけど、村民が何をいってもはじまらないというあきらめもある」。
こんな声もあった。「対立候補は無所属だが、元は共産党。それに対するアレルギーもある。帰村しないという人たちの中にも、菅野村長を支持した人たちがたくさんいた。彼らは、最後まで村長にやらせて責任を取らせよう、という考えだった」
「村に戻らないと決めている人たちは、村への関心が薄れ、そもそも選挙に関心はない」という指摘もあった。そんな中で、「村長の対立候補が4割も得票したことの意味は大きい」と話す村民もいた。
菅野村長の国や東京電力とのパイプが支持されたわけではなく、まして帰村宣言が支持されたわけでもない。村民の8割が帰村しないという現実に、菅野村政にたいする村民の評価が示されている。すでに村民の心は、菅野村長から離れているのが実態なのだ。
チーム世田谷(共産党世田谷地区委員会災害対策委員会)呼びかけの第7回原発被災地支援バスツアー(10/14~15)に初めて参加しました。仮設住宅で不自由な生活を強いられている飯館村の方々との交流は、5年半になる「原発いらない」の行動に参加して来た者に「今まで何をしてきたんだろう?」と何か突き付けられる衝撃を受けました。そして、星さんのこの投稿にある、町長選挙結果は、投票日前日の訪問でしたので、結果への想いは複雑です。また、コメントしたいと思います。