【福島・沖縄からの通信】

大城敬人:墜落したオスプレイのマニュアルはオスプレイの構造的欠陥と危険性を決定的にした

 沖縄県名護市安部の海岸に米海兵隊のオスプレイが墜落・大破したのは、昨年12月13日夜だった。これまでもオスプレイが危険であることは指摘されていたが、今回の墜落は、オスプレイの構造的欠陥を改めて鮮明にした。名護市議会で最も米軍基地問題に精通しているといわれる大城敬人名護市議にきいた。〈文責・星英雄〉

 1月30日、われわれ名護市議会の議員たちは「海兵隊所属MV22オスプレイの飛行訓練・空中給油訓練の再開に強く抗議する」意見書と決議をもって、沖縄防衛局と米海兵隊に要請行動しました。

 意見書は安倍首相らに、決議は駐日米国大使、在日米軍司令官らにあてたものです。海兵隊は事故の徹底究明をし、飛行訓練・空中給油訓練を中止すること。全ての残骸を完全に回収すること。MV22オスプレイの配備撤回と、オスプレイを配備する辺野古新基地建設の中止・撤回を要求しています。

 米軍は12月19日に飛行を再開、1月5日には夜間空中給油を再開しました。安倍政権も追認しました。墜落原因の調査も終わらないうちに、県民感情を逆なでするやり方です。この動きに連動して、キャンプ・シュワブに大型ユンボ(パワーショベル)などが運び込まれました。大浦湾にはフロート(浮具)が設置され、そのフロートには抗議船を阻止するために鉄棒を立て、紐を張るなどしています。海上保安庁は抗議するカヌーから女性をライフジャケットごと引きずり下ろしました。
山城博治沖縄平和運動センター議長の不当な逮捕拘束は4カ月になろうとしています。これまで、多くの仲間が4万人の署名を集めました。裁判所の前で抗議行動しています。

〈大城敬人・名護市議会議員〉

〈大城敬人・名護市議会議員〉

 辺野古新基地は約160ヘクタールの広大な基地で、オスプレイが100機駐機することになっています。新基地はオスプレイだけでなく、F35の基地にも拡大され、永久に出撃基地として強化される恐れがあります。辺野古・名護市だけでなく、東村高江も4つのオスプレイパッドに挟まれ、人の住めない騒音にまみれるでしょう。

 しかし、今回のオスプレイ墜落事故は、沖縄県民、とくに名護市民に大きな恐怖を与え、怒りを呼んでいます。12月15日、若宮防衛副大臣と会談した久辺3区長は米軍キャンプ・シュワブの5カ所の離着陸帯(オスプレイパッド)の撤去を要請しました。久志地域(辺野古、豊原、久志を含む)13の行政区が全会一致でオスプレイの配備撤回を決議。さらに26日には、名護市に55ある行政区のすべての区長で構成する名護市区長会が全会一致でオスプレイの配備即時撤回を求めました。

 これらはものすごく大きい出来事です。名護市長だけが反対なのではない。辺野古新基地建設現場に最も近い久辺3区を、安倍政権は本来あり得ない補助金で抱きこもうとしているわけですが、その久辺3区がオスプレイパッドの撤去を要求し、配備撤回を要求しているのです。

 オスプレイは辺野古新基地の重要な構成部分ですから、オスプレイに対するこのような大きな反対のうねりがおきていることは、重大な意味を持つと思います。

 オスプレイのマニュアルとヘルメットと破片が、オスプレイが安部の浅瀬に墜落した18日後、宜野座村城原区の海岸に漂着しました。そのオスプレイのマニュアル(確認書=米海軍のチェックリスト)は、オスプレイは決して配備を許してはいけない、危険極まりない飛行機であることを、これまで以上にはっきり示しています。

 マニュアルは、オスプレイが固定翼モード(飛行モード)で空中給油をしているときに、給油ホースがプロペラに接触する危険について、細部にわたって注意しています。国防研究所でオスプレイの主任分析官を務めたリボロ氏は、今回のオスプレイ墜落事故について「ヘリモードで補給することができない」という構造的欠陥によると指摘しています。マニュアルは、もっとあからさまに、構造的欠陥を浮き彫りにするものです。

 オスプレイはヘリモード(垂直離着陸モード)で給油できない、飛行モードでしか給油できません。空中給油をするとなると、乱気流や速度の問題があって、オスプレイと給油ホースが衝突する危険性があるのです。マニュアルは衝突という言葉を何回も使い、繰り返し注意を喚起しています。空中給油中に給油ホースがプロペラに衝突すれば「大惨事を引き起こしかねない」と、書いているのです。

 衝突直後の処理も詳しく述べられています。不時着するにはどうするか。たとえば燃料を捨てろ、ヘリモードで着陸しろ、時速30ノット以上なら搭乗員の命は保証できない、などです。

 マニュアルには、水中からの脱出も書かれていますが、キャンプ・ハンセンにある水中脱出訓練施設について4軍調整官のコーエン中佐にただしました。中佐によると、施設での訓練は海兵隊の全員ではなく、ヘリコプターとオスプレイの搭乗員に限られているようです。3段階の訓練があって、水中訓練終了済みのカードがないと乗せない決まりです。3段階の一番水深が深いところでの訓練では、窓枠を外す訓練をしています。空中給油訓練ではヘリコプターが事故を起こす確率が高いと米軍は認識しているのだと思います。コーエン中佐の説明からもマニュアルからもそう理解できます。

 これまでは、米軍も日本政府も、事故は人為的なもので、オスプレイの機体は安全だと説明してきましたが、マニュアルをみると、オスプレイそのものに、大惨事を引き起こす構造的欠陥がある、危険きわまりないものであることが明らかになったのです。

 そうした構造的欠陥を、沖縄県民、名護市民に知られたくないために、事故の際には「(マニュアルを)あらゆる手段で破壊」することを義務付けています。このマニュアルの問題は、今後さらに追及していきたいと考えています。

 日本政府の対応にも、疑問がのこります。政府・沖縄防衛局は名護市への連絡で当初は墜落といい、さらには「墜落の可能性」に変化し、「不時着水」になっていった。しかし、米4軍調整官のコーエン中佐は「墜落か不時着か争わない」といったことに注目するべきだと思います。

 1月30日の抗議のときも、コーエン中佐は防衛局がいう不時着水とはどういう意味なのかよく理解できないと、いいました。要するに、米軍は墜落と認識しているが沖縄防衛局がなぜ不時着水といっているのか、理解できないというのです。防衛局・政府はこれまで国民にオスプレイの安全性を強調してきた手前、墜落ではまずいので不時着水になおしたのではないか。そういう疑問も浮かんできます。これも徹底的に究明していきたいと思います。

 オスプレイがいったん事故を起こすと、住民にどれだけの被害を与えるか。これこそ大問題です。今回の墜落事故は住民に死傷者はいませんでした。しかし、安部の集落からわずか800メートル、海岸から80メートルしか離れていない浅瀬に墜落し、オスプレイは粉々に大破したのです。

 オスプレイの骨格は金属でできています。それ以外の構造物は、カーボン合成樹脂でできています。合成樹脂は鉄より硬く、針よりも細い繊維でできているので、墜落と同時に飛び散ります。それが血管に入ると死に至る恐ろしい、危険極まりないものです。

 安部区の区民と安部区の海でマリンスポーツをしているみなさんがオスプレイ墜落の海域の残骸の整理をしています。自分たちのきれいな海を取り戻すため、ボランティアで残骸の整理をしているのですが、合成樹脂の危険もあるのです。オスプレイが墜落した翌日、米軍が事故機の残骸を回収するときに白い防護服を着ていたのは、それを防ぐためだとみられています。

 私はオスプレイの配備撤回、辺野古新基地建設を許さないために、今後もこの問題を徹底的に追及していく決意です。

大城敬人:墜落したオスプレイのマニュアルはオスプレイの構造的欠陥と危険性を決定的にした” への1件のコメント

  1.  オスプレイが欠陥機であることはいろいろ学んできましたが、オスプレイのマニュアル(確認書=米海軍のチェックリスト)にある内容については初めて知りました。この内容は日本中に知らせる必要がありますね。そして、この危険を知りつつアメリカの言いなりになって、原因も調べず飛行再開を認め、空中給油の訓練も認める政府は、我々の政府とは認めません。野党共闘を強めて安倍政権を打倒しましょう!

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