【連帯・社会像】

藤原一也:施行70年 いいね!日本国憲法ー平和といのちと人権を!5・3憲法集会

私は2017年5月3日の「施行70年いいね!日本国憲法―平和といのちと人権を!-5・3憲法集会」に参加した。会場の有明・東京防災臨海公園には天候にも恵まれ、5万5千人が集った。5.3憲法集会実行委員会が、一昨年からこの形で呼びかけて3万人、5万人と参加者数を増やし、今回は昨年をさらに上回る参加者数となった。この集会の成功を糧にし、憲法の「基本的人権の尊重、主権在民、恒久平和」を貫くために、国民の側からの安倍政治への反転攻勢の契機にしなければと強く思う。

ところが、安倍首相は5月1日に憲政記念館で開催された「新しい憲法を制定する推進大会」で、改憲に意欲的な発言を行った。5月3日には「憲法九条に自衛隊に関する条文を追加するなどの憲法改正を行い、2020年には施行したい」などと憲法施行70年目のこの日に九条改悪に具体的に踏み込んだ。

私たちはすでに自民党の憲法改正草案の内容を把握している。また、安倍内閣の「特定秘密保護法」、「戦争法」の強引な国会運営をいやというほど味わってきた。審議中の「共謀罪」においても強行採決が先にあるかのような安倍首相の政治姿勢には強い危機感と怒りを覚えざるを得ない。

私は「総がかりを超える総がかり運動を」との呼びかけを、国会周辺の19行動の際に何度も聞いてきた。そして、3月21日の「シンポジウム 個人の尊厳をめざし」(連帯・共同21主催)で、総がかり行動実行委員会共同代表の福山真劫さんの口から直接聞く機会を得た。この言葉が私に響いたことから、この5・3憲法集会への参加の形を私自身が少しでも変えたいと思った。

〈写真・藤田観龍〉

私が実施したことの一つは家族との事前対話だった。特に大正15年生まれの91歳の母から、改めて、日本の戦争について覚えていることを聞いた。「戦争だけはこりごりだ。二度とあの時代は来てほしくない。」との本音を聞くことが出来た。私は、母のこの気持を背負って集会に参加した。

さらに、昨年に引き続いて元の職場の皆さんにご一緒に参加しませんかと呼びかけた。今年は「生協だれでも9条ネットワーク」と「生協九条の会・埼玉」の旗の下に45名(昨年比150%)が参加し、昨年の30名を超えて参加者の枠が広がった。集会後に「台場コース」のデモ行進に参加し、途中で右翼の騒音妨害などに出会いながらも、解散地点の青海まで歩数にして8千歩を歩き通した。その後、臨海線の東京テレポート駅周辺の飲食店で、手短に集会のまとめと近況報告会を行った。この場で各地の5月3日の生協の取り組みも知りたいなどの要望も出された。

この集会で語られたトークやアピールで印象的だったことを以下に述べる。

伊藤真弁護士は「日本は憲法という法の支配する国を70年前にようやく整備した。人権とは私たち自身が創りあげるもの、憲法の80年、100年を国民がともに喜びあえるものにしたい。70年はそのための覚悟を決める記念日となる。自民党の憲法改正草案では個人が国のための道具となってしまう。現在、戦争法の違憲訴訟が各地で取り組まれており、訴訟や選挙を通じて安倍政治を変えなければならない。」と呼びかけた。総がかりを超える総がかり行動には弁護士会などの訴訟を通じた闘いもヒントになるのではと思った。

山城博治さんは「辺野古の海の埋立は絶対許さない。この後も県知事や地方自治体首長の許可が得られなければ一歩も前へ進めない事態が続く。各種選挙で自民党は勝ち続けなければいけない。そんなことは元祖野党共闘の沖縄では想定できない。防衛局との自分の裁判に勝ち、県知事選、地方自治体選挙でも野党共闘は勝つ、共謀罪も連帯して葬ろう。」と叫びました。さらに、壇上からマイクで歌声を披露し、会場参加者と連帯しました。不当拘留に屈せず明るく唄う人間力も総がかりを超える総がかり行動としてのヒントがあると思った。

〈写真・藤田観龍=山城博治・沖縄平和運動センター議長〉

韓国から参加したイ・テホさんは韓国の大統領選挙で忙しい中、この憲法集会に駆け付けた。「韓国、台湾、香港などで市民運動が政治変革を進めてきた。韓国のキャンドル運動の現場では人間としてのプライドの回復がなされた。このような市民運動を通じて憲法の役割が次第に明らかになった。」と日本の憲法の恒久平和原則を守る取組みへの連帯を表明した。これらのアジアの市民運動との連帯も総がかりを超える総がかり運動の手掛かりになると思う。

〈写真・藤田観龍=李泰鎬・朴槿恵退陣緊急国民行動・参与連帯政策局長〉

私は5月3日の憲法集会とデモ行進に参加し、多くのエネルギーをいただいた。同じ日に安倍首相がいよいよ本心を隠さず、憲法改悪を行い2020年には施行したいと表明した。憲法改正の発議は国会であって、首相の仕事ではないだろうと思いつつ、大変な犠牲の上にようやく手にした「憲法」を国民は易々と手放すわけにはいかない、出来ることは地道に何でもやらなくては…。

〈写真・藤田観龍〉

〈写真・藤田観龍〉

〈写真・藤田観龍〉

〈写真・藤田観龍、左から蓮舫・民進党代表、志位和夫・共産党委員長、森裕子・自由党参院議員、吉田忠智社民党党首、伊波洋一・参院議員のみなさん〉

〈写真・藤田観龍〉

 

〈写真・藤田観龍〉

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藤原一也:施行70年 いいね!日本国憲法ー平和といのちと人権を!5・3憲法集会” への1件のコメント

  1. 安倍政権の化けの皮が剥がれつつある。それでも恥かしげもなく、二枚舌で私たちを嘲る総理大臣。
    私は愛する息子を、これまで出会ってきた可愛い子供たちを、一緒に働く仲間を、家族を、自身を戦場に送るわけにはいかない。
    悲しみと憎しみしか生み出さない戦争には真っ向から反対したい。
    共に学びあった多国籍の学友達と、これからも笑顔で握手できる世界であってほしい。

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