【連帯・社会像】

藤田観龍:思い出の佐藤忠良・笹戸千津子彫刻写真集

 私事ですが、このたび「佐藤忠良彫刻写真集・全野外作品 笹戸千津子彫刻パブリックアート」(A4判・横組みカラー152ページ)を出版しました。佐藤忠良さんは日本を代表する具象彫刻家として広く知られています。「シベリア抑留より彫刻のほうが大変だ」と話していたことを思い出します。彫刻に命をかけた人でした。

 佐藤忠良さんの彫刻を私が写真に撮って、民医連の『いつでも元気』に3年間連載した「佐藤忠良・彫刻散歩」がきっかけで写真集になりました。アトリエで仕事ぶりを間近に見たりもしました。佐藤忠良さんは私のことを「熱心な人だ」といっていた、と聞きました。

 佐藤忠良さんは宮城県生まれ、東日本大震災の2011年3月 に98歳で逝去されました。先の大戦で中国に召集され、日本の敗戦で酷寒の地シベリアに抑留されました。1948年に帰国、新制作協会の創立メンバーとして後進の指導や彫刻の発展に尽くしてきました。

 「9条の会」や「美術家平和会議」などでも活躍されました。彫刻家としてフランス・パリの国立ロダン美術館で日本人で唯一、彫刻の個展を開催しています。日本各地の公共空間には多くの彫刻作品が設置され、平和のモニュメントも建立されています。

〈佐藤忠良「若い女の像」、北海道札幌市・大通公園〉

 佐藤さんの唯一の愛弟子が笹戸千津子さんです。新制作協会会員の彫刻家笹戸千津子さん(1948年生まれ)は東京造形大学で佐藤さんに学び、彫刻家の道を歩みはじめました。佐藤さんの数多くの女性像のモデルを務め、佐藤さんが亡くなるまで東京・杉並区永福町の佐藤さんのアトリエで助手を務めながら彫刻制作に励みました。

 現在は東京都小金井市の自宅アトリエで制作をつづけ、日本各地にブロンズの彫刻作品が設置されています。佐藤忠良さんの彫刻技法制作の継承者でリアルな女性や子どもの具象彫刻作品で知られています。増補改訂版・彫刻写真集の巻頭頁に笹戸さんの彫刻作品やアトリエでの制作を30ページ掲載しています。

〈笹戸千津子「微笑」、東京都千代田区有楽町・東京宝塚劇場前〉

「佐藤忠良彫刻写真集・全野外作品・笹戸千津子彫刻パブリックアート」は1冊3000円(送料込み)です。購入ご希望の方は,藤田観龍(TEL・FAX・044-366-2635、メールfkphoto4227@ybb.ne.jp)にご連絡ください。よろしくお願いします。

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