桜の花が開き始めたというのに、東京は雪に見舞われた。21日午後、東京・代々木公園で「いのちを守れ くらしを守れ フクシマと共に」を掲げた「さようなら原発全国集会」に1万2000人(主催者)が集い、「安倍政権が倒れれば脱原発の道が開かれる」と盛り上がった。
「壊されつつある、奪われつつある民主主義を私たちの手で取り戻し、再構築しよう」と、主催者あいさつをした落合恵子さん。
私の考える安全な時代と社会は、①原発をなくす②在日米軍基地の廃止③改憲をさせない─ことだ。二言目には「国難」という安倍官邸にお返ししたい。「国難はあんたたちだ!」と叫んだ。
脱ひばく子ども裁判の会共同代表の片岡輝美さんは原発訴訟について話した。
前橋、福島、京都、東京の地裁で国と東電の責任を認める判決が出た。安心して生きる権利の回復に少しずつ近づいている希望を実感している。国と東電の責任を追及し、決定的にしていきたい。
低線量被爆と内部被ばくのリスクを争点にする子ども脱被ばく裁判は、福島原発事故後の放射線防護対策の是非を真正面から問う裁判、無用の被爆そのものの損害を問うはじめての裁判だ。
私たちは無知で臆病だから不安を感じるのではない。原子炉内にある放射性物質が爆発で飛び出した事実に不安を感じるのも、原発事故前には存在しなかった汚染が確認される地域で子育てするとき心配でならないのも、当たり前の反応なのだ。
韓国から参加した核再処理実験阻止30キロ連帯実行委員長のイ・キョンジャさんは「核兵器も原発もない非核化に向けて、日本と韓国は連帯しよう」と呼びかけた。
総がかり行動実行委員会共同代表の福山真劫さんは、森友疑惑に関する公文書改ざんが明るみに出て「潮目が変わってきた。私たちが頑張って闘えば安倍政治を打倒できる」と力説した。
被爆労働者、自主避難者ら、多彩な人々がスピーチした。「さようなら原発」の声に合わせ、参加者がいっせいに傘を突き上げて集会を終えた。