1月20日夜、都内で開かれた「人にやさしい東京をつくる会」の「東京都知事選をふりかえる集い」に参加してきました。得票数では厳しい結果だったけれども、将来に希望がもてる選挙だったというのが、共通の理解だったと思います。
なぜ希望がもてるのか。市民(都民)と政党の共同で、弁護士の宇都宮健児さんという統一候補を擁立して選挙をたたかったからです。市民の側は各地で勝手連をつくり、ボランティアで選挙運動をたたかいました。政党の側は、社会民主党、日本共産党、日本未来の党、東京・生活者ネットワーク、緑の党が宇都宮さんを支持してたたかいました。
「リベラル・革新の統一候補」は、1983年以来29年ぶりのことだったといいます。あの石原慎太郎を相手にした4回の都知事選も、統一候補でたたかうことは一度もなく、石原陣営に蹴散らされ、踏み潰されてきたのが実際でした。これまでになく幅広い市民・政党の共同が実現したのですから、その意義の大きさはおのずとわかります。
これまではややもすると、政党の自己主張がぶつかって、統一候補擁立にはいたらなかったのに、今回はちがいました。そのわけを、上原公子・選対本部長はこう説明しました。 「個々の政策は微妙に違う政党が脱原発の宇都宮候補を支持することでまとまった。脱原発が大きな共同をつくる可能性を示す選挙となった」。
「やっぱりな」と、うなずきました。
今回の都知事選で、宇都宮候補と市民・政党がかかげた4つの政策課題、①日本国憲法の尊重②脱原発③教育に民主主義を取り戻す④貧困・格差の解消--の実現は今後の運動に託されました。候補者として奮闘した宇都宮さんは、掲げた政策の実現のためにこれからも「1都民、1弁護士として、選挙でのつながりを大切にして運動を継続してゆきたい」と話しました。
都民(国民)のたたかいと運動はやむことはありません。 勝手連の人たちから「7月の参院選はどうする」とか、「今回の都知事選のような動きを大きな本流に発展させたい」という発言がつづきました。
総選挙後に誕生した安倍政権は、4つの政策課題に逆行し、憲法改悪こそ「真の1丁目1番地」と狙い定める政権です。 保守・右傾化に対抗し、「人にやさしい東京を」めざして市民と政党が連帯・共同してたたかった都知事選。この貴重な体験をこれから日本社会の変革にどうつなげていくか。「希望」の意味はそこにあるのだろうと思います。