【特集:いま、思うこと】

小森陽一:改憲反対の多数派形成を訴える

 大江健三郎、奥平康弘、澤地久枝の3氏は、5月17日都内で「9条の会」のよびかけ人会議を開きました。その中で日本国憲法をめぐる現在の情勢と全国の「9条の会」の取り組みについて意見交換し、記者会見を行い「9条の会のみなさんへ」というアピールを発表しました。

 2004年6月10日の「9条の会」結成アピール以来、はじめての、すべての「9条の会」への行動提起です。ここに、3人のよびかけ人の現状への認識が刻まれています。

 大江さんは日本国憲法をめぐる状況は「9条の会」の「発足から一番危険な段階にさしかかっている」として、第2次安倍政権の姿勢を押し返し、憲法の重要性を「若者に伝えていかねばならない」と訴えました。

 奥平さんは96条先行改憲を厳しく批判し、「単純多数決が民主主義だと、数の政治を認めさせようとする」勢力と対決しなければならないことを強調しました。

 澤地さんは、自民党の大勝が「投票率は50数%で40%を超える人が投票していない」ことによってもたらされたことを強調し、投票に行かなかった人たちを動かしていくことが重要だと訴えました。

 会議には出席しませんでしたが、鶴見俊輔さんからは「今の私にどれだけの力があるかどうか、分かりません。しかしはっきりと、憲法9条を守る意思表示をしたいと思います」というメッセージが寄せられました。

 ここに「9条の会のみなさんへ」の全文を掲載します。

九条の会のみなさんへ

  2004年6月、私たちは「九条の会」を発足させ、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力をいますぐはじめること」をよびかけました。これに応え、全国各地、各分野に7000を超える「九条の会」が結成され、それぞれが創意あふれる運動を展開してきました。私たちはみなさんのこの間のご努力に心から感謝し、敬意を表します。しかし私たちは今、その努力を飛躍的に強めることが求められる重大な局面を迎えています。

  安倍内閣・自民党は小選挙区制という極端に民意をゆがめる選挙制度の力で得た虚構の多数を背景に、改憲に向けて暴走しはじめました。安倍首相はその入り口として憲法96条をとりあげ、現在衆参それぞれの3分の2の賛成とされている憲法改正の発議要件を過半数に緩和するとしています。これが、時々の多数派のつごうで憲法を変えられる状況をつくりだし、立憲主義を破壊するものとなることは明らかです。

  しかも安倍首相の真のねらいは、96条改憲を突破口に、9条改憲につきすすむことにあります。

  すでに自民党は「日本国憲法改正草案」を作成し、第9条については、自衛隊を国防軍として個別的・集団的自衛権の行使やアメリカの組織する多国籍軍への参加を可能にするよう改変しています。また、軍法会議の設置や軍事秘密保護法の制定、首相による非常事態宣言の発令など、「戦争をする国」をめざした体制づくりを全面的にすすめようとしています。

  同時に安倍首相は、憲法の明文改憲が実現する以前にも、憲法の解釈変更によって「憲法9条のもとでは許されない」とされてきた集団的自衛権の行使を可能とし、海外でアメリカと一体となった武力行使をおこなおうとしています。

  私たちは憲法9条の精神を根本から否定する明文・解釈両面からのこうした企てを絶対に許すことはできません。そのため、全国の「九条の会」のみなさんに、あらためてつぎのことをよびかけます。

 ◎全国の「九条の会」は明文・解釈両面からの改憲攻撃について学習と話し合いをおこない、    その成果をふまえ職場・地域の草の根から改憲反対の世論をつくり、安倍内閣や改憲勢力を  包囲しましょう。

 ◎「九条の会」の輪をもっともっと大きくし、ゆるぎない改憲反対の多数派を形成しましょう。

 ◎ブロックごと、都道府県ごとの交流集会を開き、お互いの経験に学びあい励ましあいましょう。その成果をもって「全国交流・討論集会」(11月16日、於・東京)に参加しましょう。

  2013年5月17日    「九条の会」よびかけ人一同

          ◇        ◇


 「連帯・共同21」は、みなさんの「憲法への思い」について、投稿募集します。


 「9条の会」の会員のみなさんも、会員でないみなさんも、それぞれの人生のなかで、憲法にまつわるいろんな体験や思いがあることでしょう。その思いを発信することが、「職場・地域の草の根から改憲反対の世論」をつくっていくことにつながると思います。

投稿規定 500~1500字以内(短くてもかまいません)。住所、氏名、年齢、職業、メールアドレスを記入して投稿してください(原則実名)。順次掲載してゆきます。

小森陽一:改憲反対の多数派形成を訴える” への2件のコメント

  1. 小森陽一さん真にご苦労様です。私が住んでいる川越でも、川越地方労働組合連絡協議会を中心とする永年の革新統一の伝統の基に、憲法問題としては今回初めて川越革新懇の呼び掛けに、川越地労協、「九条の会」川越連絡会、LOVE憲法・川越の会、憲法改悪反対川越共同センターの四団体が賛同して憲法問題学習会・実行委員会を作り、貴方を講師として「6/21今 憲法がアブナイ!!緊急学習会」を開くことになりました。日本の未来がかかったこの学習会で、参加者が意気高く憲法九条を守る行動に立ち上がれるようご教示下されば幸いです。共に頑張りましょう。

  2. 6月8日には大分別府市で第2回九州沖縄交流集会を開催します。参議院選と憲法改正問題をテーマに緊急の学習講演会を開催します。私も県段階だけでなく居住地の行政区で九条の会を発会活動充実の運動に邁進しています。
    なお、9月9日九条の日として、5年間寺院に平和に鐘をならしていただく取り組みを展開してきました。いまでは、県下100近い鐘がなっています。
     さて、子どもも含め国民の多くが気軽に参加できる運動として、9月9日を九条の日として国民の祝日制定運動を全国的に展開したらどうでしょうか。
     こや孫に戦争する国を残さないために、子どもも参加できる運動になると思います。福岡県でも提起して、取り組みたいと思います
    憲法記念日の集い、集会は県下6か所で3000人近くのひとが参加したと思います。
     健康に留意されんことを祈り、近く来福の機会があればと希望しています。
      

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